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2006年12月14日

●馬の目

18歳の頃、
奈良公園のすさびた和室で、
懐石を戴いたことがあった。
初めて接する和料理の侘び・寂びの
別世界に足を踏み入れたのだった。

馬の目 玄関.jpg

それから40年。
全く茫漠たる霧の彼方に
その場が、名が
何だったか全く思い出せなかった。

THDの社長が、公園には
それとおぼしきは、一つの候補しかない
「馬の目」なる食事処に案内して下さった。

既に二代目なる店主は、きりっとした若者で
奥様は、女将というには、初々しくすれていない。

馬の目 夫婦.jpg


先ず、出されるそれぞれが、
実に活きが良い。
私は、毎朝、魚は活〆のみ仕入れる。
その私が唸る。

この奈良でそれを食せるとは。
「うまいものなしの奈良」
と酷評のここで、
何処にもない馳走に
預かるとは。

そして、伝統の造りの
一品一品の
心の届いた
味付けの奥行きには、
社長共々、感嘆した。

最後に出された
むかご飯の
炊き方の、うまさに、
かくの如き飯と言うものが
あったのか、
と絶句した。

一昔ならば、
文人墨客で
賑わったことであろう。

馬の目 部屋.jpg


明かりを落とした部屋には、
佐藤勝彦氏の奔放なる
書画が据えられてあった。

日本も
見捨てたものではない、と
腹も心も満たされて、
古都の濡れ落ち葉敷く
晩秋のしじまを後にした。

コメント

ジミ―とお食事・・・いいなぁ〜。
晩秋のしじまを後にして・・・
“朱墨がない!”と、騒いだわけね。

素敵なお店のようですね。今度機会がありましたら行ってみます。社長のお名前を出せば割引してもらえたりして(*'‐'*) ウフフフ♪

P.S. 音香さんにしかられました。

奈良県と京都府の県境、つまりトータルヘルスデザインさんのご近所に住んでいるのですが、奈良公園の近くにこんなお店があるなんて知りませんでした。奈良にはよく行きますので、今度探して見たいと思います。

私の名前は言ってないので、無理ですよ。言っても、安くはならないでしょう。(笑)お昼が比較的手頃なお値段で、戴けるようですよ。お寺巡りのコースに入れたらいいですね。
http://gourmet.yahoo.co.jp/0005277627/M0029000302/

堂山さん、25年ぶりですね。お元気ですか。THDさんの近くとは、愕きました。京都・奈良に棲めて羨ましいですね。私の最初の放浪の地が大和路でした。歴史に囲まれて生活しているんだなあ。北海道は、まるで何もないんですよ。あるのは自然だけです。
「馬の目」さんは、岡先生の高畑町で、奈良ホテルがすぐ近くです。ご両親と是非どうぞ。

どうもお邪魔します。
馬の目で検索していたらこちらにたどり着きました。
18年くらい前にN女子大学の学生だった頃、こちらで皿洗いのバイトをしていました。
佐藤勝彦さんの書画が好きだったので,散歩途中で見つけた時は驚喜して中を見せていただきました。
先代のおかみさんとしばらくお話ししたら,皿洗いのバイトをさがしているんだけど。。。と言われ,二つ返事で手を挙げました。
骨董や佐藤勝彦さんのうつわにうっとりしながらお皿を洗い、スタッフの皆さんとお店のものと同じものを賄いで頂き(なくなったらお兄さん(二代目)が何かつくってくれた)残ったごはんや料理も一人暮らしだから、と持たせてくれたり、本当に働いていても和める場所でした。
奈良を離れて16年ほど。いつかまた訪れてみたいです。

京都に着くと近鉄で奈良に直行し、馬の目さんでお昼をいただくのが私の一番幸せな時間です。

樹々さんやはるかさんは、どうしてここに辿り着いたのですか。どちらの方ですか。
本当に素敵な隠れ家ですね。

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