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2007年01月10日

●地味に、地道に

今朝、ニセコで治療院「薬食館」をやっている
大平学さんから電話があった。

「宇戸先生がお亡くなりになった!」
すぐ大平さんご夫妻と一緒に、
午後から、先生の眠る
お嬢さんの家に向かった。

86歳の長寿を全うされた。
長年薬局「サンドラック」を
札幌の中央区に開かれて
現役で、今の今まで店に立っていらした。

代替医療の先駆者でもあり、
痩躯朴訥として、諄々と食の大切さを諭された。
老いも若きもファンが多かった。

大平君は僕の30年来の友人で、
宇戸先生の所で修行し、
今、ニセコの田舎に引越しして
治療院と薬局を開いた。
一ヶ月の予約待ちで大繁盛なのだ。
これも、先生の教えが光っている。

僕は、この自然食品店を開く前に
先生に初めてお会いして、
その人懐かしい心の温かさに惹かれて
今日までお付き合いさせて戴いた。

雪道を自転車にかごを載せ、
中にみそや醤油を入れて、
先生の店まで届けたものだった。
そのつど、
「地道に、頑張んなさいよ。
きっと何時か、花開くから 」
と励まされ続けて来た。

「派手にしたら、ダメだよ。
何事も、積み重ねを大事にね」
を、肝に銘じてこれまで来れたのも
先生のお蔭だった。

開店の時、
お金も無く、何も無い中、
一台のレジを貸して下さった。
「何時でもいいよ。
返せる時、返してくれたら 」
と言って下さった。

本当は貰ってもいいはずだった。
要らない物だったに違いなかった。
そこを頑張るようにと、
「返して」と、あえて言って下さった。
その諭しが有難かった。

先生には、何のお返しも出来なかったけど、
教えの代替医療、
この食事の元を扱えること、
商売を続け拡げることが、
せめてもの報恩かと思う。

サンドラッグ時代 店頭で 先生と.JPG
(宇戸先生〈右)と大平さん)

今朝、読んだ朝日新聞のコラムに、
銀座のクラブママ、「ますいさくら」さんの
話が載っていた。

「銀座では、派手な店ほど
一時の流れに乗るだけで、
すぐなくなってしまう。

息の長い店は値段はそこそこでも、
お客様を育てる。
地道に約束を果たし、
信念を貫いた店が生き残るんです。

華やかに、強く見せようとする人ほど、
もろいものはありません 」

若いママにも、
枯淡の仙人にも、
教えられることは、
一つだった。

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