●モンドセレクション
十勝新得の共働学舎で作られたチーズ
『さくら』と『笹ゆき』が
今年のモンドセレクションにおいて
特別金賞を授与された。
一昨年の「山のチーズ五輪」の金賞に続き、
『さくら』は世界に冠たる地位を確立した。
これは、凄いことだ。
今、宮嶋代表といろいろ仕掛けをして、
試作しているチーズがある。
後日発表だが、どんなものになるだろうか。
お楽しみに。
昨年報道された牛乳余剰問題。
その解決の消費拡大策として
国が生乳生産奨励として
3年間で約230億円を投入する。
これを受けて雪印・明治・よつ葉など大手が
相次いで十勝、別海などに「ナチュラルチーズ」の
工場建設に動き出した。
これには、痛し痒しの感がある。
この風で一遍に,
煽りを受けたのが、
フェルミエの小さい工房だ。
今まで大手がナチュラルチーズには見向きもせずに、
効率一本のプロセスチーズを作っていた頃、
小さい工房では、地道にナチュラルチーズの
製法を学び、コツコツと今まで普及に力を注いで来た。
15年にわたって、フランスからAOCの
ヒュベール会長や技術者を招聘して
「チーズサミット」を開催して来た。
なけなしのお金をはたいて、参加して来た
各工房の皆さんの悲哀も深い。
表向き良い話でも
その裏で、嘆き悲しむ者も出る。
なんとも切ない話だ。
ヨーロッパでは米国式衛生管理のHACCP(ハサップ)導入により、
多くのフェルミエのチーズ工房が消えて行った。
日本流にいえば、あの村の00おばあちゃんの漬け物が
忽然として消えて行った感じである。
小さい工房が、沢山寄り集まって、
さまざまな味や技術が、豊かな花を咲かせる。
何事も、大きく画一的になって行くことが、
実は強いようで、最も弱いことを知るべきかも知れない。
自然は、さまざまな小さい多様性の集合体で、
それでいて、しなやかで強靭だ。
まほろばの目標としている『小国寡民』。
小さく完結している生き方。
小さく弱い存在に、道を拓く在り方を
国や自治体や大企業に問いたい。