« 此岸浄土 | メイン | アスパラ中のアスパラ »

2007年05月29日

●初の全自家苗 販売!

苗木販売2.jpg

5月の末、小学校の運動会が行われる頃、
まほろばで開かれる、毎年恒例になっている苗木販売会。

もう20年以上も続いている。
栗山の寺島さん、
北村の作田さん、
新得の共働学舎さん等々に
これまで作って戴いた。

しかし、今年から自立して
全ての苗が、まほろば自然農園で育てたもの。
既に、18日から販売されている。

ここに来るまでの道のりは遠かった。
小別沢の農園を開いてから、少しずつ出荷していたが、
その栽培法は手探り状態だった。

ハウスがないから、
自宅で室内の温度管理をしながら、
子供を育てるように育てて来た。
どれだけ失敗し、
どれだけ教えられて来ただろうか。

それに携わった家内の粘り強さ、辛抱強さ、愛情深さには驚かされる。
新聞紙を苗の上から被せたり外したり、朝晩の戸外への頻繁な出し入れ。
陽が動いては移動させ、陽が翳っては暖房をたき、
赤子を育てるようにねんごろに育む。

昔のお百姓がやったように、畑で成った物の種を
次の年まで持ち越して、土に蒔き、芽を出させる。
この自家更新の種も、まほろば苗の大きな特長。
一代交配F1種の種子戦争に対する、抵抗であり、運動でもある。
今や、F1にまみれた国土の食糧危機は、谷底を臨むようだ。


自家育苗 2.jpg
(外は雪一面、部屋で福田君と家内)

長年の育苗技術の蓄積を、今年はハウスに移して、
落ち葉で保温保湿することを思いつき、見事成功したのだ。

一鉢に詰まっている愛情や労力や技術や資材を考えると、
190円では、とても元が取れる処か、
既に足が出ている。

「それでは、採算が取れないよ」と、言ったが、
妻は、「それでいい!」と押し通す。
農場長だから、尊重して譲ったが、
皆さんの収穫の喜びの顔と声を思い浮かべれば、
「それも、いいかな」と最後は納得した。

形(なり)は小さいが、エネルギーが一杯詰まっている。
「小さく育てて、大きく成らせる」のが、何事においてもコツである。

さて、今年の皆さんの畑の出来どうなりますでしょうか。
ご報告下さいね。
楽しみに、待っています。

コメントする