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2007年09月28日

●仮面の表情

昨日の新聞に日本最古の木製の仮面が発掘された記事があった。
邪馬台国の有力候補地の一つでもある
奈良県桜井市の纒向(まきむく)遺跡から出土したもの。

土製の仮面は縄文時代(3000年前)から作られているが、
卑弥呼が活躍した3世紀前半のものという。
農具のカシの木のクワを再利用しており、
農耕に関連する収穫の祭祀に使われたらしい。

木製仮面.jpg

一目見て、ハッとする表情に、
情緒の発露を思った。

しごく簡単な穴で、
充分過ぎるほどの眼と口の
言わんとする先を顕す。

余りにも日本的な、
余りにも日本人的な、
こころの源流を見る思いで、
しばし、この仮面を眺める。

仮面 2.jpg(中国)
仮面 3.jpg(パブアニューギニア)

世界中に点在する古代の仮面。
単純で素朴な表情に、
それぞれに言うに言われぬ趣がある。

作為が無く、天真そのままであるが、
そこに、民族性と言うか、呪術的と言うか、
自ずから顕われる表情がある。

仮面 4.jpg(スリランカ)
仮面 5.jpg(マヤ)
仮面 6.jpg(イスラエル)

そこで、明らかに異なるものは、
日本人の「もののあはれ」ではなかろうか。

全てのものは、滅びるが故に滅びざる無常観こそ、
日本人の心の底流に流れる
独特の諦観でもある。

単に、「愛」と言っては足らぬ東洋の慈悲は、
常に慈しみは、悲しみを伴って、
さらに深い「愛」を完成させる。

真の愛は、人の世の悲しみを知って、
その全貌を現す。

情緒とは、
悲しみを知った
別の表現であり、
真の表情である。


http://www.mahoroba-jp.net/blog/2007/03/post_39.html


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