●東京大田市場
次の朝4時から、
札幌卸売市場で有機野菜を卸している米内社長と、
東京大田市場に、視察へ。
何年ぶりであろうか。
「角市」の鈴木社長も、今なお健在で、
有機や特栽の普及振興でご活躍である。
東京では、今や予約相対先取り方式がほとんどで、
夜中の11時から3時までで、ほぼ7割方放出され、
2000tの内、30%の600tが朝セリにかかるだけだ。
言い方は悪いが、残り物で競られていて、
八百屋さんは、その外物で商いしていることになる。
当然、良い物が、選べないのだ。
益々、この格差は広がり、小売業は衰退するばかりだ。
この傾向は全国的で、唯一牙城を守っている札幌も、
年々セリ場は活気がなくなり、ほとんどが相対制度になっている。
一面産地価格主導になって、農家を守る点では良いのかもしれない。
だが、上下する価格変動の市場原理と
そのダイナミズムが失われるのは反面寂しい。
一番問題なのは、大企業優先の力関係で、
個々の小売店の灯が、街から消えて、
街の活力が無くなることで、延いては、
個々人の活力も萎えて行くことでもあろう。
何とか、頑張って北海道の片隅で、その火を消したくないものだ。
ところで、「個性化コーナー」の充実振りには、目を見張った。
築地から来た東一市場の新人・濱口龍子さん。
実際農家に出向いては調査確認を怠らない。
説明を聞いても、実に詳しい。
これは、心強く、嬉しいことだ。
今後もお願いしたい所。
初めて見る「ザーサイ菜」。
ホーレン草で全国優勝した無肥料「ちぢみほうれん草」。
実に旨い「菊みかん」。
無添加の蜂蜜まである。
無添加「あんぽ柿」。二酸化硫黄の燻蒸処理なしは、珍しい。
仕入れたいものが、沢山あって楽しい。
ミニトマトを日本で初めて栽培し普及した
千葉旭町の石毛襄氏のサンドリップも常連さん。
場内で、電話をかけての新年挨拶。
時々食事相談を受けるなど、
お付き合いも20年にはなるだろうか。
全国の農家の方々、それぞれの個性を発揮し
特性を活かして、こんなに頑張っていらっしゃる。
その声に励まされて、まほろばも前進しよう!