●寒にごり
先日、秋田・日の丸醸造の佐藤社長がお越しになった。
営業にご熱心で、年に4回は来道されているという。
このような蔵元と小売を繋ぐ絆の大切さを思う社長もまた稀である。
我々小売業としても、その姿勢を範としなければならない。
最近、秋田の蔵元仲間でアメリカに売り込みに行ったばかり、と聞く。
またこの度は、札幌の名酒会での利き酒パーティーに招かれたとか。
その席で、新得共働学舎のチーズ「酒蔵」が振舞われ、興味を示された。
実は、そのウォッシュする酒は、まほろばから行っていることを聞いて、
二度ビックリされていた。
縁の身近さ、不思議さである。
今、新しいアイデアで酒の復興と振興を志されている。
昔、東京で銀行の長をされていた営業力が、
古き酒蔵で生きておられる。
今回、紹介された、まんさくの花・純米吟醸生原酒【寒にごり】。
これは、久方振りの感動だった!!
あの「むすび」のショック、「和魂(にぎみたま)」の精錬された喉越し。
そんな感銘が再び甦った。
この寒い時期に相応しい濁り酒で、
しかも爽やかで、スーッと体の奥に引いて余韻が何時までも残る。
ある種フルーティーで、古典的で現代的でもある万人が共感する軽み。
通には軽いが、我々下戸には、結構後に効いてくる濃さがある。
見れば、辛口とある。
吟の精などの酒造好適米55%、アルコール度18度、日本酒度+3〜4.
1,8L¥2.625、720ml¥1.365
「噴出し注意!」と書かれた微炭酸と酵母の掛合いの活性発泡酒。
一口飲んで、スカッと爽やか、
二口飲んで、グッと深酔い。
こんな不思議な印象を持つ酒も、そうざらにない。
この寒の時期だけに許された濁りの美しさでもある。