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2008年04月14日

●Julian Bream ジュリアン・ブリーム

ジュリアン・ブリーム.jpg

個人的な趣味の領域で、掲載は如何なものかな、
と、思ったものの、その貴重な動画を知り、
是非見て戴きたい、と思った。

そこには、古き良きヨーロッパ文化の
格調と芳香が感じられたのだ。

もう十一年前にもなろうか。
イギリスのギタリスト、ジュリアン・ブリームの演奏会が、
札幌のキタラで開かれるというので、
私は、すぐさまチケットを買い、その日を待った。

しかし、である。
とうとうその日は、訪れなかった。
彼は、病気のため突如、来日が中止になったのだ。
おそらく、遂に聴く事は出来ないだろう、と諦めた。

交通事故の後遺症と高齢は、彼の技術を阻んでしまったのか。


(若き日のブリーム:Heiter Villa-Lobos - Choros Típico, No. 1)

昨日、何気なく開いたyoutubeに、彼が突然飛び込んで来たのだ。
それも、若き日の彼が
颯爽として、
溌溂として。


(サロードのアリ・アクバルカーンと競演)

それと、若き頃より大好きだったインドの古典楽器サロード、
その達人アリ・アクバル・カーンと
何と、競演しているではないか。
この貴重映像には、嬉しくも驚いた。
この心のときめき!!

http://www.youtube.com/watch?v=vuoBpNz6fD8&feature=relatedEmbedding disabled by request
(ストラビンスキーの前でリュートを弾く歴史的貴重映像)

さらに、ど肝を抜いたのは、彼のストラビンスキーとの対話、
そして、その前でリュートを奏している。
何と言う至福。

ストラビンスキーは、武満の「弦楽のためのレクイエム」を日本で聞いて
「あの小さい男から、このような厳しい音楽が生まれるとは」と絶賛してから、
俄かに、国内外から評価されるようになったのだ。

その武満はブリームの委嘱で、「すべては薄明のなかで」を作曲した。


(リュートで、ビバルディーを弾く)

ギターと共に、彼は、リュートの名手でもあった。
チェンバロと奏でる古雅な響きに酔いしれる。


(ジャズを弾く)

古典の対岸にある前衛も積極的に弾き、
ギターの領域を拡げ、世間への認知に心砕いた。
完璧な技術に裏打ちされたジャズの響きに、
また心が翻弄されそうだ。
素晴らしい!!

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