まほろばblog

今朝、市場はサンマの初ぜりで賑わった。
道東沖で８日解禁、昨日９日が初水揚げだった。
1500円／kgもの高値から始まり、活況を呈していた。
燃料費高騰で、イカもサンマも出漁を控えているから、
高値でしばらく推移するかもしれない。
脂乗りを見込むにも、もう少し待ったほうが良い。
しかし、初鰹ならぬ初サンマを早く食したいものだ。

釧路の日の出・新保社長は、
「型の小っちゃいもので少ない量を、先を争って捕るより、
みんな我慢して早くから捕らないで、魚を海で育てて、
型が出揃った時に、船を一斉に出した方が、
むしろ確実に型が大きく豊漁で、漁獲効率が良くなる。
反って燃料費が上がって、セーブされて良かったのだ。
済んでみれば、漁も同じ位、捕れていた結果になって、心配は要らない。」
と、何ヶ月前のイカ漁船の少ない報道に、こう答えていた。

成程、海の生態系を維持するために、小さい魚は捕らないという
取り決めがあれば、海はもっと豊かに甦るかもしれない。

何事も、表裏・陰陽があって、
悪いことが、あながち悪いことでなく、良いきっかけになったり、
良い事も、何時までも良いままでなく、悪い原因に変ったりすることは、
日常茶飯事に溢れている。
ガソリン高騰が、車社会にブレーキをかけ、魚介を育てる元になり得る。

さて、今日の初サンマは、どんな味か。
今年の運勢を占う味なのか。
子供の時、聴き馴染んでいた森繁久弥さん歌う
佐藤春夫の「秋刀魚の唄」を思い出す。

・・・・・・
あはれ
秋風よ
情（こころ）あらば
伝へてよ
――男ありて
今日の夕餉（ゆうげ）に
ひとりさんまを食くらひて
思ひにふけると。
・・・・・・・

果たして、
さんま、さんま、
さんま苦いか　塩つぱいか。
・・・・・・・

さんまには、人生の味がする。