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2008年09月23日

●見えない繋がり

福岡先生 読売新聞.jpg
(葬儀の時、李枝子さんから「お父さんのこと読売に出ますよ」と、言われていた記事)

昨日、お客様の大熊裕子さんと店内で久しぶりにお会いした。
20年近くのお付き合いで、ご夫婦共々今まで様々なご苦労を経て来られた。

会うなり、今月の感謝デーに発刊した故福岡正信先生の事を記した
小冊子『師の死』を読んで涙したと言う。
ご夫婦とも、やはり「わら一本の革命」を読まれて感動し、伊予を訪問されたという。
実家が倉敷で、家内とも同郷のよしみもあって、何か通ずる処があるのかも知れない。

福岡先生との最後のツーショットが良かったと言われたので、
「そうなんですよね。あの時小豆島のヤマヒサさんを訪問した時、
何故か急に行きたくなって訪ねたのですが、それが最後のお別れになったのです」
と言うと、
「えぇ、ヤマヒサさん!水野葉子のこと知っていますか?」
「もちろん、JAS有機認定の検査官で有名な水野さんですよね」
「そうです、彼女、私の従妹で、小さい頃から大の仲良し、何時も一緒に遊んでました。
彼女、度々ヤマヒサさんに行っているので、その話するんです」
「えぇ・・・ ビックリ!」

水野葉子のオーガニックノート.jpg
(水野葉子のオーガニックノート)
http://yoko-leaf.blog.so-net.ne.jp/

水野葉子さんとは面識はないものの、
NPO法人日本オーガニック検査員協会(JOIA)理事長で、
有機関係では知らない人がいないので驚いた。
北海道にはなかなか訪問されることがないらしいが、
大熊さんが何時かまほろばに案内して下さるという。
その時は、農園や店を見て頂いて、色々とご指導に預かろうと今から楽しみにしている。

このように日常茶飯事に、目に見えない何かの繋がりが、
突如、現れる事が多くなって驚いている。

先日も、本当に驚くことがあった。
これは、来月の「折々の書」に認(したた)めたいと思っている。

コメント

昔、自然食を学ぼうと色んな本を読んでいた頃、福岡先生のわら一本の革命に感銘をうけ、慣れないワープロで写したテキストが残っていたので送ります。

四季に学ぶ          福岡正信著    わら一本の革命より
早春、春の七草、たにし、蜆、海の蛤、サザエが美味となる。
緑の季節、ツクシ、ワラビ、ゼンマイ等の山菜・桜の若葉、柿、桃、山芋の若葉などは珍味かつ薬味となる。
筍が出れば、タケノコメバルが美味となり、麦刈りのころムギワラダイやムギワライサギが豊富にとれてとても美味しい.

春のノボリサワラの刺身を賞味し、菖蒲の節句にはショウブダチウオを供えて祝う。
春はまた磯遊びのころ、青の食物海藻が美味となる。
梅雨があけるころ、青梅をつける。
ラッキョウの爽やかな味とともに、果物の枇杷、杏、桃などを体が欲しがる。
枇杷は実ばかり食べず、種子をコーヒーにし、葉を煎じて茶にして飲めば百薬の長となり、桃や柿も葉を利用すれば、同じく不老長寿の薬となる。

真夏の太陽の下、涼風の木陰で陰性の瓜をたべ、乳を飲み、蜂蜜をなめる事も許される。
菜種油やゴマ油も夏ばての身には必要である。
初秋になって様々な果物が実り、黄色食品の雑穀、大豆、小豆が取れる。
月見のきび団子、里芋に添えた枝豆、秋深まってのトウキビ、小豆飯、松茸飯、栗飯も理にかなっている。
夏の陽性を十分に吸収した米が秋に実るということは、冬に備えてカロリーに富んだ主食が豊かにとれるということで、何よりもありがたい。
主食といえば、米に比べてやや陰性の麦が春に取れて、麦飯や冷麦、そうめん、うどんとなり、食欲減退の夏の口に合うのも妙である。

夏から秋に取れる蕎麦が極陽の雑穀でありながら、夏にはなくてはならない食品となるのも妙である。
秋がくれば秋刀魚の季節。霜が降り始めると、焼き鳥屋の屋台をのぞきたくなる。
極陽の青魚のブリ、マグロがこの季節によく摂れ美味となる。
陰性の時期に陽性の青魚が美味となるのも自然の配剤であろう。
またその頃には大根や葉っぱ類が豊富にできて、魚に添えて出せば結構調和がとれるのも面白い。

塩をしたり焼いたりして、陰の魚を陽の食品に変える生活の智恵も人間は持っていて、食は楽しく芸術品にまで高められる。
海の塩と草木を燃やした火の料理は正に食の芸術である。

正月のおせち料理の頃も同様である。
正月のめでたさを祝う料理として、塩鮭、数の子、昆布、黒豆を配する叡智、赤色の魚の鯛、イセエビを配するのも単なる生活の知恵と言われるものではなく、自然と人間が一体となってはじめて生まれる無分別の叡智であろう。

福岡先生も、食養の陰陽原理を学んでおり、当時の桜沢さんとも関係があったのではないでしょうか。
後年、ヨーロッパで、福岡先生、桜沢リマさん、ヨガの沖正弘氏等々の錚々たるメンバーが一緒になって会談会食している処へ、私の後輩が放浪の途中に参入したそうです。すると、福岡先生に「こんな処でフラフラしないで、日本に帰って早く働け!」と怒鳴られたそうです。
 私もそうでしたが、青年は、初めどうしても観念的に頭脳で動くのですが、身をもって無心に動いて気付くことの大切さは後年分ってきます。しかし、時間がかかりますね。今の歳になっても、迷中の迷です。

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