●旨し珍し味道中6、「マッカムりんご」
いよいよ、土大根の時期ともなれば、
思い出すのが、秋雨に濡れながらの配達。
店前に山のように積まれた大根。
それを車に運んで、一軒一軒十本一縛りの束の大根を運ぶ。
そんな時、助手席に一個のリンゴを転がして、
運転しながら口にほおばる。
「パリッ!!」
この歯切れ、この歯ごたえの良いリンゴの名は?
「マッカム!」
おそらく、どなたも聞いたことがないだろう。
この中早生のリンゴは、私の大の好物で、
「リンゴの中で何を一番に選ぶか?」と問われれば、
躊躇なく私は、大声で「マッカム、マッカム・・・・!!」と叫ぶだろう。
これはおそらく北海道で齋藤リンゴ園さん一軒しか、作っていない。
つまり、秘密のリンゴなのだ。
まさに秘中の秘で、今日公開するのに、悩んで一晩寝られなかった!!(笑い)
こんなに美味しいリンゴ、何で普及しないのか不思議でならない。
現に、リンゴ問屋や荷受、仲買の専門家に聞いても皆知らないと言う。
齋藤さんの園にも1,2本しかないので、
せいぜい2週間で姿を消す、本当に幻のリンゴなのだ。
私の子供の時、親が部屋にドーンと木箱の「旭リンゴ」を置いてくれた。
まさに食べ放題で、この季節になると、皮ごと「パリ、パリ」食べれる
「旭」が大好きになってしまっていた。
この旭、早生系で肉質が柔らかいので、内地では余り知られていない。
その旭系統で、さらに美味しくしたのがこの「マッカム」なのだ。
「マッカム」は何処から来たのか、知る由もないのだが、唯一ヒントは、
この旭はカナダのオンタリオ原産、米国名が、
あのCP会社「Macintosh/マッキントッシュ」なのだ。
すると、「マッカム」はミズーリ州マッカムが原産地なのかもしれない。
こうやって、細々ながら北海道に根付いていることが、不思議で神秘的ですらある。
明治初期に、北海道開拓吏によってアメリカから導入された「旭」。
現在では収穫量が激減してリンゴ全体の0.1%未満になったという。
何故か、クラーク博士の時代にトリップするようで、果たしてその近辺で、
マッカムの苗が一緒にやって来たのかもしれない。
昨日放映していた、果肉が変色しないポリフェノールも酵素も少ない「あおり27」より、
「マッカム」を普及して欲しいと願うや切なるモノがある。
コメント
この前から旨し珍し味道中をみて あれもこれもぜひ味わってみたいと思っています。
マッカムも是非皮ごとあじわってみたいです。
昔 長野のスターキングが 箱に入った籾殻の風景を思い出しました。
Posted by: あきこ | 2008年10月23日 13:06