●ケイタ焼き U ケイタ礼賛
(壺/焼き〆 ¥31.500)
まほろば主人
ケイタさんの焼き物を扱ってから随分になる。
しかし、売れゆきは今一つかんばしくない。何故だろう。
登り窯での焼き締めにしては、決して高価であるとは思えないのだが。
私は、真面目に歴史に遺る器だと信じて疑わない。
器は、しまうものでなく使うもの。
毎日使い込んでなかなかあきるどころか、
造形や色調の深まり行くゆらぎに、いよいよタメ息をつくばがりだ。
多くは、自分の内なる私的イメージを表出しようとする。
しかし、ケイタさんは外なる意志に任せて、出来る限り自分をはさまない。
本当の作り手は、大自然にあると信じている。
当たり前といえぱそれまでだが、そこを認識出来て作風とする処が、
じつは常人でない所以だ。
それは、自然農法の大家、福岡(正信)先生の人為を去ると同義であり、
又、ケイタさんは、福岡先生を師表と仰いでいる。
百姓は、自然との只の仲介者にすぎないと、語られるのと同じように、
陶工も又、自然の下僕でしかない。
そこに甘んずる事を快しとする。
だから気楽である。
肩ひじ張らなくてよい。
意匠を凝す心も、小細工を弄する要もない。
何の理屈も、深刻な思い入れさえ要らない。
土に任せ、火に任せ、神に任せ、偶然に任す。
それ以上の何が要るだろうか。
作為を忘れた時、偶然のダイナミズムという神の手が、天工の名を下す。
器はあなたに語りかける。
「人生、なるようにしかならない」と。
「クヨクヨ、アクセクせずに、ゆったりと生きるがよい」と。
かくて、器は心を癒す名器となる。
(茶碗 ¥10.500)
(ビルマグ ¥15.750 湯呑 ¥5.250 共に焼き〆)
(片口 ¥10.500 碗 ¥21.000 共に焼き〆)
まほろばに常設しております。