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2009年03月02日

●RED CLIFF 赤壁から 1

赤壁 6.jpg

話題の中国映画大作「レッドクリフ」を昨年二度ほど観た。
世界的興行で記録的な集客数だったという。
小説、漫画、ゲーム等に展開された「三国志」を、子供でも知らぬ者がない。

今回、特に印象に残ったのが、
蜀の宰相・諸葛孔明が呉の周瑜と同盟を結ぶべく交渉の席で
互いの心を読むのに古典楽器「古琴」が用いられたシーンであった。
先ずは、映像で息を呑む、その迫真の場面をとくと御覧あれ。



http://jp.youtube.com/watch?v=8Ju5Tf2Cn1s

この二人の琴の掛け合いに使われたフレーズが、
「流水」と「廣陵散」という古曲である。
琴の音で、二人の志とその決意の程を知るという
肝胆相照らした名場面でもある。

管平湖 幽蘭 流水.jpg
(中国唱片:¥1,500)

実は、この原曲の入ったCDを、まほろばで販売できる事になった。
それは、中国から取り寄せた故・管平湖師の歴史的名盤である。
曲名は「離騒」、「幽蘭」、「流水」、「廣陵散」の四大難曲である。
当代随一の琴の名手と誉れの高かった師の名演奏を聴かれたい。

かつて汪兆銘政府高官で蒋介石に追われて日本に亡命されていた
中国哲学の碩学・胡蘭成先生が数学者・岡潔博士に贈ったレコード
「幽蘭」がCD化されて、このアルバムに収められている世紀の音源である。

これがきっかけで、私が18歳の時、古琴の門を叩く事になった。
その因縁の古曲で、孔子が作曲したという伝説もある。
その原字譜が何と異国日本の国宝として東京国立博物館に収蔵されている。

ボイジャーレコード.jpg

そしてあのボイジャー探査機に地球の音(Voyager Golden Record)として、
中国音楽の代表曲として選ばれたのも、
このアルバムにある「流水」、その曲であった。
かの伯牙・鐘子期の逸話、心の友を意味する
「知音」由来の名曲でもある。

伏羲図 1.jpg

かの先天の八卦を発見したという伝説の伏羲が創った、
とされる世界最古の楽器の音と哲学を、
悠久の時空を隔てて楽しまれたい。


コメント

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