●三大恩
健康指導家でもある阿部一理先生が新著を出された。
その名も、「未来に伝えたい!古くて新しい『伝承療法』」。
そのサブタイトルが、
「家庭に一冊必需品」、
キャッチコピーが、
「”こむらがえり”を起こしたら、オッパイをギュッとつかむ」
「エーッ!?」
「でも、本当に治るんです」
とある。
そこには、先生のお得意とする民間療法が並べられている。
食養で昔から伝えられている里芋・生姜パスターなどお馴染みで、
本当に卓効のある手当て法も満載されている。
いわば、おばあちゃんの智恵がそこかしこに輝いている。
中には、科学的でない、迷信だ、と揶揄する向きもあるであろうが、
しかし、日本や広くはアジアなどで長い歴史と
広く伝承されているこれら家庭医療もあながち一刀両断に
切り捨ててよいものかは、少々疑問である。
良い例が、明治以降、欧米文化に追いつけ追い越せで、
和漢の医療を後進医術と言わんばかりに、
外に追いやった政策や風潮のしっぺ返しが、
100年経った今、手のつけられないような
医学の混乱を招いてしまった。
先日講演会があった、森下敬一医学博士の「医食同源」という
東洋医学の根幹をなす食の重要性を見据える物の観方が
今ほど問われる時はないのではなかろうか。
本では阿部先生の心の師でもある故桜澤如一先生の真精神、
「疑うな!信じるな!確かめよ!」
という実証主義で検証することを訴えている。
この身をもって体験する方向性は、
何にでも通用する。
そんな意味でも、笑いをもって読み易く、解かり易い、
この本の誕生を喜びたい。
(メタモル出版 ¥1333+税)
先生の講演回数は何と10,000回を悠に越えるという。
まさにギネスブックものだ。
最先端の情報を携えて、
毎日全国津々浦々「飛行少年」しているという。
その中にも、「入門即究極」という初めて聞く言葉があった。
これは、どういう所で使われたか分からないが、
最近自分でも、本当にそう思うようになった。
禅に、漸修漸悟、頓修頓悟とあるが、
あの不世出の大先達・慧能祖は、入門した時即悟ったようなものだ。
確かに、物事には年季という熟成の時が必要なのだろうが、
実は本物は、最初から本物だ、という単純な理解がなされる。
何かを知ろうとする時、パァツ!という閃きが、
ほとんど全体を言い尽くし、知り尽くしている本質があり、
それが全てのような気がする。
ことに芸術品などは、そうであろう。
じわじわ良くなる、味が出ると言うことはない。
ほとんど直感的に良いか悪いかが刹那に決まってしまうし、
ほぼ、その判断が正しい事が多い。
人生も次第に後半になるに従い、
初めも終わりもなく、
誕生も死も、一枚板の裏表のように、
一瞬にひっくり返せば同じに見える。
入門即究極と同様、人生は最初から決まっているように思えるのだ。
実は、阿部先生との出会いは30年前に遡る。
今日、こう在るのも、先生の御蔭と言わざるを得ない。
先ず、自然食の道があることを教えてくださったこと。
二に、0−リングテストを教えてくださったこと。
三に、家内の存在を教えてくださったこと。
今の私の生き方のほぼ全部が、先生から来ている。
改めて驚くとともに、感謝してもし尽くされないものがある。
その意味でも、「出会いが全て結果である」とも言い切れるのだ。
私にとって、それは「入門即究極」の世界でもあったのだ。
コメント
1985年から食養の世界を旅して参りましたが、私は阿部一理さんという方のことはまったく存じませんでした。
ひとの巡り合いというものは本当におもしろいものですね。宮下さんがそれほどに傾倒していらっしゃる方の存在を、私はこうして宮下さんを通して知るのですから。
このところ考えるともなくおもうのは、知識と直観のことです。私たちは「思い出すために学んでいるのではないか」というのがそのおおよその結論となりますが、以前CI協会で受けた久司先生の望診法の講義でいただいた言葉が思い出されます。
さまざまなことを教えていただいたあと、先生がおっしゃったこと、それは「自らの直観を信じることです。だから私の言葉も信じてはいけません」でした。
Posted by: 金子夏枝 | 2009年06月17日 10:06
そうですか。
CI関係でしたね。
私は、全く関わりなかったので、存知上げませんでした。
また、あの番茶の川上さんですか。懐かしいですね。
澤田先生はその世界の生き字引ですね。
これからも教えてください。
Posted by: まほろば主人 | 2009年06月23日 10:19
今月9/26にCI協会で一理先生の「伝承療法セミナー」が今年の1月に続き開催されるみたいですね。
→
http://www.ci-kyokai.jp/event_pdf/100926abeichiri02_100904.pdf
行かれる方はいるのでしょうか?先生の本を読んだ感想は、「面白い!」の一言につきます。是非、直接お会いして、お話を聞きたいと思っているので、今度のセミナーに参加する予定です。
Posted by: shugo | 2010年09月10日 17:49
今月9/26にCI協会で一理先生の「伝承療法セミナー」が今年の1月に続き開催されるみたいですね。
→
http://www.ci-kyokai.jp/event_pdf/100926abeichiri02_100904.pdf
行かれる方はいるのでしょうか?先生の本を読んだ感想は、「面白い!」の一言につきます。是非、直接お会いして、お話を聞きたいと思っているので、今度のセミナーに参加する予定です。
Posted by: shugo | 2010年09月10日 17:50
人気なんですね。
古巣に帰っての講演。
定着して良かったですね。
Posted by: mahorobaイヴェント課 | 2010年09月10日 21:26