●本物の華道鋏(ばさみ)は
花作家の森直子さんが突然来訪。
「是非、社長に見て頂きたい物があります」
といって華道のはさみを持って来られた。
http://profile.ameba.jp/harufds/
新潟・三条市にある藤登志さんの工房を訪ね、
その現場のあり様に感動して報告にいらした。
http://www.s-sato.co.jp/seika/f/has/fre-6.html
門外漢の私であるが、何かの打ち込みようをその鋏に感じた。
聞く所によると、その工程が全く違うという。
先ずは素材作りから始まり、鉄と鋼を重ねて32層。
火入れして叩き、延ばしては冷やす。
鍛えに鍛えて幾日をもかける。
通常は刃先の一部だけに鋼を使い、
流し込み、型抜きで一瞬で出来るという。
見えない労苦の違いに、
価格以上の価値ある代物であることが理解された、というのだ。
市販物をゴム手袋としたら、手術用手袋をはめている感触で、
全く別物だとか。
何事も、本物を見聞しないと、中々眼が開かない。
一つでも本物があると、それに周りが引き上げられる。
いわゆる境地が高まるのだ。
何かと取り組む時は、
先ずコレはと思う物を求めるのが、上達のコツかもしれない。
食の世界でも同じこと。
本物を食して舌を磨くことが、味を知る第一歩である。
一事は万事を知る。
自然こそ、本物の極みだ。