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2009年09月30日

●聖徳太子と音楽

エコーズ 1.jpg
(右にトスカニーニ、左にクナパーブッシュ、手にミケランジェリ)

年に何回か訪れる中古レコード店「ECHORSエコーズ」さんに立ち寄った。
ご主人とは同じ歳で、20年来の音楽の友でもある。
かつて魚の仲買さんで、男料理の腕も確かなもの。(ブログ参照)
レコードに関しては私の師匠で、その世界を見開かせてくれた。

クラッシクのみならず、落語や日本音楽、前衛・民族音楽などなどと、
そのジャンルは幅が広い。
レコードの音源から学んだことは随分とあり、色々な思索の糧になった。
その日も、ひょんな事でめくった盤に惹き付けられ、
試聴して久方ぶりに音楽というものに感動。

「ウイルヘルム・ヴァン・オッテルロー指揮、フイリップス・レジデント・オーケストラ」。
聞いた事もないベートーヴェンの第9だった。
厚さ3o、重さ250gもあるレコードはSPのような重厚さで、
音の明確さ、奥行きの広さ深さ、これが1952年録音とは到底思えなかった。

この50〜60年の進歩は何だったのだろう、と思ったほどだ。
それは機械の進化と言うより、人間の耳の退化ではないか、と感じた。
これは言語を尽くしてもどうにもなるまい、聴いて感じるしかないだろう。
あたかも、ベートーヴェンが初演の当夜、演奏後立ち尽くしたかのような音楽が鳴っていた。

http://echoes-records.jp/default.aspx

ベートーベン 第9.jpg

concert01big[1].jpg

音楽と言えば、10月10日。
「音紡〈オトツムギ)KAORU」(原田薫さん)のヴァイオリン・ソロライブがまほろばで開かれる。
題して「大和は国のまほろば・・・・・仏教讃歌に祈りをこめて・・・・・」

その名の通り、彼女は聖徳太子の「和の精神」に心惹かれて、
音で以て、その思想と情感を紡いで来られた。
当時、太子が政戦絶え間無い大和の国状を憂えられ、
仏教哲学を導入して、平和の根幹とされた。
それが「十七条の憲法」に発揮されている。

「和を以て尊しと為す」と。
それより1500年経るも、未だに世上は変わりない。
古人の無明の闇も、今人の煩悩の炎も止まない。
太子の御世も昨日と言えば昨日。
変わりようの無い人間のさがを想う。

http://www.kaoru-japan.com/

「うつつともなき 中空に 悲しき人の 眼ぞ見ゆる」

現世の不浄の曇りを、一丁のヴィオロンの調べでかき消して、
浄土涅槃の風、大仏慈悲の雨を招きたし。

聖徳太子 11.jpg

富士北麓の明見に、徐福が昇天したという福源寺がある。
そこの八角堂に若き日の聖徳太子立像が安置されている。
太子がこの地に来たりて「富士古文書」を閲覧して書面を遺された、とある。
それ故、ここに太子信仰が芽生えたのだろう。
生けるが如き見事な塑像の出来栄え。

今日、このように太子との繋がりに、
和を以て、音を以て、導かれることの尊さを感謝したい。
当夜、二階でライブ、地下洞「無限心庵」にて奉納演奏あり。
是非とも聴かれんことを。

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