●フィニクスとパンシェフ
東札幌のショッピングモール出店計画の際のテーマは「火」であった。
その店内が、上のフリーハンドの設計図で、本店と同じく黄金比から割り出した。
店舗図は、「火の鳥」が無限ハートの中心部から羽ばたく姿が浮き出ている。
ここは本店の水に対して、パン工房主体に火を全面に表現しようとした。
この誘致、前述したように結局は身を引いた。
しかし、この構想を本店で再び合体したかった。
その実現は、パンシェフ宮本善夫君が入社することが切っ掛けになった。
先ずは、ベーカリー名を「不死鳥」の「Phoenixフィニクス」(ギリシア語読み)とした。
エリクサーにしろフィニクスにしろ、共通するものは『まほろばセラミック』である。
水を、浄化し活性化する巣の多孔質が、この中に無尽蔵にあり。また
火を、遠赤でパンの深部にエネルギーを送り込む構造と機能は、
通常の石窯以上と自負している。
この本来交じり合わない相反の水と火。
これが水火既済された時、物事は奇跡を生む。
今度、入社した宮本君。
大阪生まれで、神戸芸術工科大学の工業デザインを専攻した畑違い。
主に家電製品を手がけていたが、木工制作コンテストで賞を取り、それで
岡山玩具博物館の工房Westに入り、2年研鑽。
一方、ドイツパン好きが昂じて転職、ドイツ人シェフの居る
ウエスティンホテル大阪に入社、7年間修行を重ねる。
その間、ドイツにも遊学して、パンを食べ歩きしたが、
結局「日本人の繊細さと特異性」に気付き、
「理想のパンは自分の中にあり」と、帰国する。
そしてアウトドア好きもあって、憧れの北海道に渡り、
北海道一の名門、札幌グランドホテルに入社、2年半パン造りに励む。
その間、試行錯誤を積み重ねて今年、
「これだ!」とまほろばパンとの衝撃の出逢い。
キッパリとグランドホテルを出て、まほろばに強行入社、
ここで自分の理想を実現しようと決意する。
今年36歳で、決断の年。
漸く、訪ね歩いた末に辿り着いたまほろば。
その思想と生き方に共鳴し、今心身生まれ変わったように、
これまで蓄積させた技術と経験に磨きをかけて、
日本一のパン造りを目指す。
選りすぐった素材と環境と哲学のある中、
彼なら、万人が唸るようなパンを作り上げるだろう。
期待したい。
まさに「フィニクス」のようにこの北の大地から世界の空を目指して
大きく羽ばたいてもらいたい。
はじめまして
宮本 善夫
この度ソフテリアのベーカリー「フィニクス」で
働かせてもらうことになりました宮本です。
大阪出身なのですが、長男が生まれたのをキッカケに、
憧れの北海道へ移住してきました。
大阪、札幌と大手のホテルベーカリーで経験を積んだのですが、
もっと買ってくれるお客さまに近く、
素材も安全安心なものを使って美味しいパンを焼いてみたい!
との思いから懐の深い社長を口説いて(笑)
「まほろば」へ飛び込ませてもらいました。
いつかは0-1もマスターして、
個人のお客様にも合わせたパンも焼けるようになれたらいいな
と、目論んでいます。
あと今年中にはパンのブログも始めたいと思っていますので、
その時は皆様のご意見や感想もよろしくお願いします。
本場「テネーロ」小麦で作った『チャバタ』
テネーロ100%に酵母に七五三塩とエリクサー水のみのシンプルで
深い味わいに驚嘆!! これぞテネーロの特性を曳き出す製法。
ミキサーを一切使わず4時間ほど熟成させながら生地を折り畳みながら
繊維を傷めず負担を掛けず、酸化させずに、酵母の香りを出す。
練らないため歯切れが良く、サックリしたフランスパン風に仕上がる。
半分にスライスして、サンドイッチのようにして食べるイタリアパン。
これは絶品!感動物。
昨日のイチジクパンといい、これから何が飛び出すか、非常に楽しみ!
塩味だけで、パンがこれだけ語れるものかと、
我が店の品ながら、絶句した次第。