●THIS IS IT
今、話題の映画「THIS IS IT」を息子と観に行った。
主演は無論マイケル・ジャクソン。
私が行くなんて信じられない。
自分自身も、他の人も。
全く、今まで興味がなかった。
むしろ、どちらかといえば嫌いなジャンル。
あの炸裂する電子音が堪らなく嫌や。
あの軽さが何ともなく付いて行かれない。
何故行ったか、と言えば事務所のバレエを習っている工藤さんが、
「全く興味のない叔母さんを連れて行って、
観終わった後、カタログやCD買いまくっていた。
絶対、観るべき!!」の一言に、少なからず心が動いた。
この監修をしている湯川れい子さんの友達で、
先日来店された有機認証検査官の水野葉子さん(早速エリクサー買って頂きました)が、
最初から最後まで泣き通しで、これを観たとブログに書いてあった。
これにも、後押しされた感じだった。
彼の歌をまともに聴いた事も、踊りを見た事もない。
先日、マイケルの死を知ったが、薬漬けやゴシップの噂しか耳に入らなかった。
私が、彼を後から知ったのは、おそらく小中学生の時、NHKTVで観た
「アンディー・ウイリアムズ・ショー」ではなかったか。
「ジャクソン5」の末の弟としてその歌の上手さを、未だに印象深く記憶していた。
もう45年も前の話だ。
その子が、死んだマイケルだと今頃知ったほど、彼には全く興味がなかった。
湯川さん曰く、プレスリー、モンロー、マイケルは戦後最大のエンターティナー。
その威光は、全く特別なものだと。
私は、アメリカンポップス等々は、背を向けてあえて聴かなかった。
しかし、実は幼子の時から小・中学生まで、私の歳で私ほど、
聴いた者はいないのではないだろうかと言う位聴かされていた。
そういう環境にいたからだ。
(アメリカ、イリノイ州シカゴ・フィールド博物館/女性像)
何の知識も無く、嗜好も持たないニュートラルの状態で、映画を観た。
世界中から彼と踊り歌いたくて、オーデションを何千人と受ける。
彼を神のように憧れ慕うインタビューの様子が尋常ではなかった。
その強烈な吸引力、その惹き付ける魅力は、どこから来るのだろう。
世界中が靡く、彼の磁力に、何か超絶した人間離れした霊気が漂っていた。
スーパースターと呼ばれる人は、何かと引き換えに、栄光を手にする。
眩いばかりの光が強いほど、蔭の闇も深く、ほとんどが不幸な死を遂げている。
虚構と実像。
芸能という虚構であっても、それを突き詰める姿は感動的であった。
ここまで、削ぎ落とし、繰り返す、練習に継ぐ練習。
決して一つのフレーズもモーションもゆるがせにしない厳しさ。
プロの大敵、油断と慢心。これを戒めて更に一歩先を行くのが超プロなのだろう。
「SMAP×SMAP」に突如顕われたマイケルの意外な謙虚さには驚かされたものだ。
その謙遜と自省が大成への道を開くのだろう。
彼を観て、ふと思ったのが坂東玉三郎のことだった。
前にも書いたが、体を自制するために、人と絶対夕べの会食をしないそうだ。
そのいささかも狂い無き所作や、間や、身のこなし。
この完璧さに、人間を越えている驚きを禁じえない。
マイケルにも、その完全性を感じて、なるほど万人が惹かれる訳と知った。
しかし、それは理解しても、あえてまた彼の歌を聴くまでには至らないだろう。
地球と言う星には、さまざまな星々が煌いている。
それぞれに、それぞれの光があり、輝き方がある。
それはそれで、素晴らしい。
一つ一つの分野で全力を尽くすことを教えてくれる。
行く道は違っていても、行き方は変らない。
やはり一言、努力しか報われない法則があるようだ。
マイケルにときめきを覚えて、人生を活き活き生きる人も多かろう。
また、全く見向きもされないで、野の花のように人知れず往く人も多かろう。
いろいろある。
でも、そのいろいろでいいんではないかとも思った。
称賛されることが、あながち幸いとも限らない。
人生の光と影。
どこに幸せがあるかは、分からない。
コメント
宮下社長、さすが!早い実行力!早速、事務所みんなで読ませていただきました。あのエジプトの写真、よく見つけたね〜、そっくりと話してました。
私も生前のマイケルにはまったく興味がなかったのですが、亡くなってからのTV特集番組を観て「上手い!すごい人だったんだ!」感心した一人です。
しかし、私生活を読んで(本も読み出し・・)あまりのビッグなスーパースター、精神的にも大変なプレッシャーはあったようですね。(薬物依存症とか)よく一番でいるより、2番、3番の方がいいといいます。
映画はすでに2回も鑑賞、そのカリスマ性と芸術的なまでの踊りと歌はやっぱり「スーパースター」。私は泣かずに・・・この人は早くに再生されてくる人だ〜と思いましね。
きっと天才的リズム感で踊りや歌をこなす子供が出現!楽しみにします。
ちょっと、鼻にコンプレックスがある・・子ども。
Posted by: まほろば@工藤 | 2009年11月09日 13:51
毎度お世話になっております。
10月に負った傷も少しずつ回復に向かっております。ありがとうございます。ご心配頂き恐縮です。年末は無理ですが、創業祭には間に合いますんで、よろしくお願いいたします。
さて、この映画私の友人が物凄く感動して、観た翌日に再鑑賞してるくらいでした。
偶然私も坂東玉三郎さんのドキュメンタリー観ました。歌舞伎界を背負って立つ立女形は毎日ストレッチを欠かさず、就寝時間までも管理していたり、小児麻痺と戦いながら今日の地位を築きあげた現在の歌舞伎界における希有の存在ですよね。
かたやマイケル・ジャクソンもTVの報道を見た限りでは相当ストイックな印象で、リハーサルも常に全力だったそうですね。ツアー中は筋肉痛で眠れないほどだったとか。。。
両雄、国・ジャンルは違えど油断・慢心など無く、スキの無い完璧を追い求める人の姿が人に感動を与えてくれるのでしょうね。
私もそんなに詳しい方では無いのですが、「You are not alone」は歌詞に感動して自己嫌悪に陥ってる時に良く聴きました。また人種差別を謳った「black or white」もマイケルだからこそ歌えた曲!って感じで好きです。
Posted by: muso 橋本 | 2009年11月09日 14:29
0−1講習会でも、数人マイケルの話題を出して盛り上がりました。
あの体の切れの良さ。そして、そこから残る余韻。
それが大事だと、彼も言っていましたね。
これは東洋的思想から来るものだとか。
その人間の去った後、余韻が残るような人格になりたいものですね。
Posted by: まほろば主人 | 2009年11月10日 17:18