●ウトムヌカラ(アイヌ式結婚式)挙行
今朝、まほろばのソフテリアで働いていた松岡さんが、
ご主人を連れて来店された。
アイヌ式結婚式の報告と
12月に2階で開く「うさと展」の打ち合わせのため。
今年6月26日(土)の満月しかも月食の日、
十勝清水の剣山の麓、ハポネタイ(母なる森)でアイヌ式の
ウトムヌカラ(お互いを見詰め合うことの意)・結婚の儀が挙行された。
多くのアイヌの方が、初めての経験だったという。
その二人こそ、
「災害救援ネットワーク北海道」代表のヤンジーこと山口幸雄さん(63歳)と
「モリのパン工房」主催のアグネスこと松岡由里さん(40歳)。
出会いは4年前、屈斜路湖で開かれた「アースデー」。
ヤンジーは食事のまかない、そこにアグネスが参加したのが初対面。
それから急接近、ドラマの山坂あるも、密かに進行。
23歳の差に、周りは誰もが気づかなかった。
その間に、「ピリカ・ケイトゥム・アプカシ(きれいな心で歩く)」と
「先住民族サミット」などで、アイヌの人達との交流が深まり、
ついでに、二人の愛もさらに深まった。
その後、ハポネタイの森の中で、若い作家の「アイヌアートの二人展」開催を手伝い、
その取り持つ縁で、そこが結婚式場となった。
旭川の斉藤牧場での「さとううさぶろう」さん主催の
「セレブレーションワンネス」に、二人が全面協力。
その会後、結婚を発表。周りはドギモを抜かしたが、拍手喝采で祝福された。
ウトムヌカラの儀式の司祭は、「アイヌアートプロジェクト」の結城幸司さん、
アイヌ料理の監修は、川上裕子さん(アシリ・レラさんの妹さん)、
衣装監修は島崎直美さん(世界先住民族ネットワークWIN-AINU)。
今日まで記録として残っているアイヌ式結婚式は、40年振りだったという。
これは、若いアイヌの人達が、次代に伝承し、そして、
和人とアイヌ、アイヌ同士が仲良く和合するようにとの思いで、
二人は、この意義ある結婚の様式を選んだのだ。
準備は2ヶ月に及び、食材選びに
オホーツクから太平洋まで横断、1000kmを走破したという。
鶴居の鹿肉、豊頃の鮭、襟裳の昆布、当別の蕗、清水のヒトビロ・・・・・
儀式の式材はアイヌ協会紋別支部から拝借した。
その労苦は、平和と愛の祈りが込められた素晴らしいセレブレーションに結晶した。
『楽しい、うれしい、美味しい』。
後にも先にも、このような結婚式は少なかろう、真におめでたい限りだ。
お二人の益々のお幸せとご繁栄をお祈りします。
きっとカムイ(アイヌの神さま)も八百万の神々も手を取り合ってお慶びになった事でしょう。
なお、10月末に、奄美大島で「13人のグランマザー」の国際会議が開かれます。
そのご案内をいたします。
その際、アイヌの方の世話係としてアグネスさん、通訳としてわこちゃんが参加します。
ともにまほろば出身で、頼もしい限りです。