●新しきイナウ
http://www.mahoroba-jp.net/about_mahoroba/tayori/oriorino/oriorino200807.htm(「三つの時」と「カイロスの時」より2008.7より)
今朝、「無限心庵」の『イナウ』を新年に向け挿げ替えのため、
結城さんにお電話した所、まほろばのために既に作られてあり、
すぐにでも訪問出来る、とのタイミングの良さに神意かと驚くばかりだった。
トンコリの福本さんもご一緒し、儀式と共に音楽奉納もして下さるとのこと。
2010年のフィナーレを飾るのに願っても叶わぬシーンは、夢のようであった。
結城さんとのご縁は、この土地が呼び寄せた因縁ではなかろうか。
ハート石が出土したまほろばのセンターポイントは、
実は、藻岩山、手稲山そして発寒神社のトライアングルの中心点でもあった。
ことに発寒神社の境内にはストーンヘッジがあり、
4〜500年前にアイヌの方がここを定めたという。
何故ここのポイントが決定出来たか、その測量法が不思議だ。
しかも、ここ発寒(はっさむ)を「ハッチャム」と言い、鳥の名を意味し、また
「ハッシャ・メム」つまり、「柴の傍らを通る泉(湧き水)」と言う意味でもあるそうだ。
三角地点の二山は名水の沸き出しで有名。
そして、その発寒も、水の綺麗な場で、昔アイヌ部落があったという。
この三角地点にレイラインが走っている。すなわち水脈が走っているのだ。
その中心点こそ、まほろばでエリクサーを置いているポイントだった。
その「水」、いかにも象徴的で、鳥肌が立つような話である。
しかも、そのナビでの北緯・東経の数秘が驚くべき神秘の数々が隠されていた。
その辺りの詳しい話は「エリクサーと無限心V」の小冊子に詳しい。
畳み掛けるような奇跡の連続に、到底人の技とは思えないのだ。
そんな経緯が、先住アイヌ民族の聖地としての古い関わりを想起させる。
前置きが長くなったが神々の依り代といわれる柳で結城さんが作った「イナウ」。
色々な種類の中で、「チノイエ」(我々・捻(ね)じる)というカールがかかった物。
結城さんが祝詞の辞でまほろばチセと告げられたことを有難くも不思議に思う。
この一年のイナウをチセユロカムイ(家を祭る神々)の天井に掲げ、
この新しいイナウで新しい年、新しい縁の方々を迎える。
この北都で、自然の神々が集い祝って、世の平和や幸福を願う。
こんな素敵なこと、素晴らしいことはない。
最近、アイヌ問題で、色々取り沙汰されていることがある。
主義思想的に走ると、どうしても甲論乙駁で対立してしまう。
しかし、結城さんは、どちらにも偏らない流されない中立的な立場だ。
『心あれば、祈りで全てに繋がる』というアイヌ民族本来の
祈りの文化、和の精神を貫いて行こうとされている。
その皆の心を繋ぐ道こそ、アートであると。
その姿は、国境や民族や宗教さえ、越えるもの。
それぞれの立場で、各々が自己本来を発揮できる。
和語のまほろば、中国の「小国寡民」にも、深く共感出来るもの。
今回の儀式の一端を、撮影許可を戴き、一部公開させてもらいます。
みなで「水への感謝」と「世界平和」を祈るため、
また、来年も聖なる儀式をここで挙げることになりました。
3月21日(月・仮り)、まほろばの講話室と地下洞「無限心庵」にて、
結城さんによる「ストリーテーリング」(語り部)「アイヌの水の物語」(仮称)、
福本さんなど「アイヌ・アートプロジェクト」のユニットによる演奏を行います。
彼の創作アニメ「七五郎沢の狐」予告編をご覧下さい。
「七五郎沢の狐」
また、結城さんによる「版画展」やアイヌ文化展示会も併設します。
東京FMの「バラカン・モーニング」でピーター・バラカンさんが、
彼の版画を賛嘆したら、沢山の方々が版画展に押し寄せ、
瞬く間に完売したそうです。全国的な人気なんですね。
来春、1月6日の「初売りの日」、どうぞ新しいイナウを祭ってある
「無限心庵」にお越しくださいませ。