●ジャバラ・シンクロ
先日、ゆかりちゃんから「お客様から『ジャバラ』という柑橘類が入りますか?
と聞かれましたが、どうでしょうか」と問われた。
初めて耳にする名前であった。
何でも、柚子やカボスのような類らしい。
ネットで調べると、和歌山・熊野の一所の村が原産とあったが。
次の日、関東関西に多くのルートを持つ懇意の仲買に聞いたが、
何十年この商売をやって来たが、とんと聞いたことがない、という。
早速、市場で相手先に問い合わせてくれた。
が、本場大阪でも扱ったことも、見たこともない、というつれない返事であった。
丸果という荷受から次の札果荷受へと歩き、その上場された果物置き場を見て、
その時、我は、我が目を疑った。
そこには、明らかに「ジャバラ」と書いた柑橘があるではないか。
これは腰を抜かしたというか、驚いた。
この30年ほど、ただの一度も見たこともない「ジャバラ」が、そこにある。
しかも、問い合わせの次の日に用意されていたのだ。
これには、「ツイている」どころか「憑いている」とさえ思った。
早速、その仲買が買い付けてくれたのに時を待たなかった。
しっかりとした造り、安全性も申し分ない。
しかも、値も安く、香り良く、味良く、姿良し。
柚子などより酸がきつくなく、程よい甘酸っぱさが、何とも心地よい。
これで、ジャムやジュースなど加工も出来よう。
しかし、何よりも名前が良い。
「ジャバラ」
即ち「邪払」。邪を払う。
あの酸味が邪気を退散させるというものだろう。
この身近な何気ない所に、起きたシンクロ劇に、
何かの予兆を感じさせるものがあった。
そして、また続く・・・・・・・・・・・・・・・・。