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2011年02月16日

●遠くダラスの街から・・・・

先日、突然アメリカのダラスから一通のお手紙を頂きました。
それは啓蒙誌「致知」に掲載された私の一文に寄せる内容でした。
遠く海を隔てて、読んで下さっていることに感銘すると共に、
消費大国アメリカに長く住いながら、その本質を見失わない眼に感激したのでした。

ただ、高松氏のおっしゃる理想には、程遠いまほろばで恥ずかしいのですが、
そのお手紙を,ご本人の許可を得て、ご紹介すると共に、
HP上に「致知」の一文を掲載しました。合わせてお読み頂ければ、幸いです。
また重ねて、ご返事に在る、岡先生の胸のすくようなお言葉を載せさせて頂きます。

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http://www.mahoroba-jp.net/about_mahoroba/tayori/syujin/shuzin_top.html

拝啓 
宮下周平さま

突然の失礼、何卒お許し下さい。
高松文三と申します。
アメリカ在住三十年。
テキサス州のダラスという街で鍼灸師をしています。

「致知」二月号掲載の先生の文「小國寡民に生きる」を読んで深く感ずるところあり、
お手紙を差し上げる次第です。

岡潔先生のお言葉を引用された後に、
究極の古しえとは私たちを生み育ててくれた大宇宙そのものであるという言い方もできるでしょう
と言われています。

そうしますと、今、我々は「古を懐かしむ」どころか、
古を蹂躙している恩知らずになり下がっているようなところがあります。
日本人は、本来、自然と共生する達人ぞろいであったように思うのですが、
敗戦以降、着実にアメリカの悪しき民主主義、資本主義に洗脳されてしまい
本来の有様を失くしてしまった感があります。

今、アメリカでも倫理なき資本主義にさからうような流れが生じつつあります。
その一つが先生の提唱する「小国寡民」モデルというのではないかと思います。

アメリカ最大の自然食スーパー、「WholeFoods」も、
たしかに普通のスーパーに比べれば自然食品(有機作物)を
扱っているだけましではありますが、規模が拡大するにつれ、
資本主義のルールに従わざるを得なくなり、
たいていの作物が大量生産され、平均千五百マイルかけて
輸送されてくる事を鑑みると、石油のムダ使いも大きく、
決してこの先、何百年も持続可能な方法とは言えません。
少なくとも身土不二とは程遠いものです。

そこで、最近はローカル食を食べようという気運が高まり、
地元の農家が作ったものを積極的に摂ろうという動きがあります。
これは先生の言われる地産地消そのものではないでしょうか。
まだまだ小さい動きではありますが、やはりこういう在り方でないと
人類は亡びるような気がします。

そんなことをもう既に何年も実践していらっしゃる方がいると知り、
大いに感激した次第です。
私も残りの人生を出来ればそういう理想に向って生きたいと思っております。

つきましては、今年の六月中旬か、あるいは七月初旬に、
一時帰国の予定をしておりますが、その時に是非とも
御社を訪問し、お話しも直接お伺いできればと望む所存です。
その時、日本におられますでしょうか。
お会いいただけるでしょうか。
何卒、何卒よろしくお願い申し上げます。

乱筆乱文お許し下さい。
お体にはくれぐれもお気をつけご自愛下さい。
奥様にも何卒よろしくお伝え下さい。
有難うございました。
                        敬具
 
                高松文三

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宮下様

早速のご返事有難うございます。

宮下様の記事を再読してまた思うところがありました。
岡潔先生のことです。
もう四十年以上前のことですが,
世界中がアメリカの宇宙船アポロが
月面に着陸し沸き立っていました。

NHKが各界の識者にその感想を聞くのですが、
みな一応に「快挙だ!」とかそういうことを言って誉めそやす中、
ただ一人、岡潔先生だけは,
「人間が月へ行ったからって、それがいったいなんだと言うのですか。」
と毅然としておっしゃるのです。

これをテレビで見ていて子供ながらに凄い人だなあ,
と感心したのをいまだに覚えています。
世間の常識や既成概念に囚われない、
独立不羈の姿勢は、老子にも通じるものがあると思います。
取り留めのないことを言いました。すみません。

夏に宮下様や奥様にお会い出来ることを心の底から楽しみにしております。
有難うございます。
(手紙よければ使ってください。)

高松

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