●理研・放射線研究室の広田先生から
私たち自然食品の仲間でもある
埼玉県和光市のマート城山さんの海藤芳勝代表からの情報です。
彼は、日本の微生物醗酵学の第一人者・辨野義己(べんの よしみ)農学博士
(日本の元独立行政法人・理化学研究所バイオリソースセンター
微生物材料開発室の室長)と交友があり、
以前紹介を戴き、理研に伺ったことがありました。
丁度、「チッチ」を研究中だったので、色々アドバイスを戴きました。
その理化学研究所の延與(enyo)放射線研究室副主任研究員で
(株)日本中性子光学代表取締役社長の広田克也先生を、
海藤さんの知人である(株)先端力学シミュレーション研究所の大崎俊彦氏を
介して紹介して下さいました。
今回の原発問題に対して、放射線の専門家である広田氏のコメントを戴きましたので、
転送掲載の許可を得てそのままブログにupしました。
参考見解として、読んで戴ければ幸いです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
広田 克也
私も原子力発電に関しては素人なので現在原発内で、
どのような事になっているのか、ニュース以上のことは
判りませんが、放射線に関してはある程度の知識を持っております。
要点は以下の通りです。
● 原発事故としてはかなり重大な事故である。
● ただし、原発内はともかく敷地外、避難区域外では
健康被害が出るほど放射線量は高くない。
● 今後何が起こるか良く判りませんが、例え今後事態が悪化
しても埼玉東京地区で健康被害が出るようなことは、まずあり得ない。
● 枝野官房長官の発表は、充分信頼できる内容です。
避難指示の範囲指定も充分妥当と私は考えます。
● 公表されている放射線の数字にウソは無いと考えます。
ただマスコミの発表は極端な値を強調しますので、
ニュース報道だけで振り回されないほうが良い。
(時間的に変動している数字の瞬間最大値を報道する傾向にあります)
以下、あちこちから資料を引用しながら解説します。
まず、放射線が人間にあたえる影響ですが、大雑把に言って、
1Sv(シーベルト)が生死の境目
0.1Sv (=100mSv = 100,000μSv)が健康被害が出始める可能性のあるところ
上記数字が目安です。この数字も多少の異説はありますが、
日本の基準は世界的に見ても厳しいので、まずこの数字で
大丈夫です。日本では確か放射線感受性の高い子供まで想定して
この値を設定したと記憶しています。そこで今回の事故に対応するため
(対応するのは大人なので)健康被害が出始める数字を
250mSvに再設定したようです。
なお、日常生活でも放射線は浴びています。
http://www.enecho.meti.go.jp/genshi-az/ray/ray_life/ray_life.html
http://www.enecho.meti.go.jp/genshi-az/ray/ray_type/ray_type.html
日本では自然界から年間約1mSv、ブラジルのある地域(ブラジルは
宇宙からの放射線が強い地域)では約10mSv浴びているようです。
さてこの放射線の量ですが、東京電力が原発の正門や西門での測定結果
を公表しています。
http://www.tepco.co.jp/index-j.html
プレスリリースで「福島第一原子力発電所の現状について」のところ。
この数字を事故が顕在化して以来ずっと見ておりますが、15,16日前後の
爆発の際に一時10mSv/h前後の値が報告されていますが、10mSv/hを
超える数字がでたのは1時間程度でその後は数字が下がっています。
また17日以降は1mSv/hを下回る値で推移しています。
この数字は放射線量のため時間との掛け算です。
例えば10mSv/hの線量のところに10時間いると100mSvになります。
6分(0.1時間)滞在なら1mSvです。
ということで、これらのデータを見る限り
「原発の正門付近に立ち続けても健康被害が出る100mSvには到達しない」
という事になります。
IP周辺の線量に関しては理研仁科センターの測定結果が公開されています。
http://www.riken.jp/r-world/topics/110314/monitoring.html
通常より高い値を示しており、特に15日あたりは原発事故の影響を
検知していますが、あくまで「検知」であり、健康上全く問題ありません。
この他あちこちで同様の放射線測定のデータを出しています。
例えば文部科学省では避難地域周辺を放射線測定しています。
(理研の関係者もこの測定を手伝っているようです)
http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1303726.htm
これを見る限り、避難区域外は(通常よりも高いですが)健康被害が
出る基準に比べて充分に低い値です。
今回の原発関連では、東大の早野教授のtwitterでのやり取り
をまとめた記録に詳しいです。
http://smc-japan.sakura.ne.jp/?p=956
関連記事は「早野 まとめ」などで検索してください。
早野先生の14日でのコメントで、ちょっと古い記事なのですが、
http://twitter.com/hayano/status/46978697999286273
また今回の事故を海外の物理学者が解説記事を作りました。
これが日本語訳されて公開されています。
最初の辺りはちょっと難しいかもしれませんが、後半からは
少し理解しやすいかと思います。(それでも難しいかも?)
アメリカの解説のせいか、私の上記基準よりも甘いようですが、
大筋で変わりません。
http://ribf.riken.jp/~koji/jishin/zhen_zai.html
海外からの逆報道で、「アメリカが80kmに避難指示をした」
「フランスが国外退避指示を出した」などのニュースが出ています。
これをもとに心配する話もありますが、これは情報の少ない、
大抵は日本語の判らない外国人観光客、短期滞在者を意識しての
措置と思われます。例えば外務省はリビアに対して退避勧告を
出して日本人に避難するよう指示しますが、当然リビア人は現地で
生活しています。外国政府の判断を根拠に自国民が行動する
必要はないと考えます。
なお、私見ですが、ここ数日放射線レベルが下がっているのは
風の影響もあるかと思います。ここ数日現地は西風で、
陸地から海に吹いています。風向きが変わると放射線レベルが
上がる可能性もあります。まだ楽観視できる状況ではないでしょう。
(逆に風向きが変わって放射線レベルが上がった際にマスコミが
報道しても特に心配する必要はない)
都合のよい風向きの間に作業が進む事を期待しております。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110319-OYT1T00352.htm
---------------------------------
:「大崎さん、原発による被曝は如何なものでしょう? 」
以前、私は添付の食育レポートを作成しました。
高校の時に長崎の原爆資料館を訪れショックを受け、
広島を訪れて再認識しました。
今回は秘書さんの倉光さんへの同報送信は女性であるが故、
遠慮させていただきました。
報道関係の被曝線量についてですが、
とうとう取り返しがつかない状況下にあると思います。
早く、チェルノブイリの様に封じ込めないといけないと思います。
水をかけても、たとえ冷却装置が回復してもです。
天井のない処はどうするのでしょう?
チェルノブイリ時に多くの子供たちや女性が癌を発症しています。
つまりは女性の子宮や乳房、細胞活性や成長期著しい子供や胎児が
一番リスクを受けやすいと思われるからです。
また、放射能を摂取した時の内部被曝は、
外部被曝よりもリスクが高いと思われます。
拙いレポートですが、こういった経緯から導き出しました。
以上、ご連絡まで。
マート城山 海藤 芳勝