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2011年04月16日

●遅咲きのあやめ

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茶道の今野先生が、こういうお話をされた。
それは25年前、ある盆栽市に友と出かけて
同じ「白雪」という菖蒲(あやめ)の花を買われたという。
そして、華を楽しみ、その後、球根を地に下して、
次の年の開花を待った。

友のは、むろん次の歳にも咲き、そして毎年花を付けて行った。
ところが、先生の菖蒲は、次の年もおろか、
来る年も、来る年も、幾年経っても咲く事はなかったという。
ただ、その場所を忘れることなく、注意深く観察された。

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(わが庭に咲いたクロッカス)

そして、待つともなく待ち続けられた。
もう諦めていた頃、忘れていた矢先、
4半世紀にして、その菖蒲は、花を見事に付けたという。
それは昨年の春先のことだった。

待つ。
人は、自然の懐に委ねるしかない。

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