●非常時の覚悟
(白隠画: 『達磨図』 万寿寺)
「駿河には、すぎたるものが二つあり。一に富士山、二に原の白隠」と。
その白隠禅師、「大悟十八回、小悟は数知れず」と
伝えられるほどの禅の大器と言われた。
江戸宝永に富士大爆発が遭った時、禅師、慌てず騒がず、
泰然自若として自坊にて座禅したまま動かず、事に己を任せた。
そのことを、玄侑氏が書かれている。
私の本家のある富士吉田では、「富士古文書」が幾度も、噴火の難に遭い、
寒川神社や尾張など、幾箇所にも分けて託したとの伝えがある。
貞観年間には、今回の大震災と同様の凄まじい災厄が各地に起こった。
正に、今は非常時である。
非常時には非常時の覚悟というものが必要となるのであろう。
(日経新聞)