●オペラ映画 鑑賞会
高校生の時、札幌でフルトベングラー指揮の『バラの騎士』(R・シュトラウス)の
オペラ映画で、初めてオペラなるものを観た。
日本で言えば、歌舞伎のようなものだが、どうも大仰過ぎて馴染めないものがあった。
PMFで、モーツアルトの「ドン・ジョバンニ」を見た時、その軽妙洒脱な面白さに、
オペラに多くはまる人が居るのは、さもありなんと思ったものだ。
「致知」木鶏会の朋友・三田さんは札幌で文楽を振興させようと懸命に奔走。
さらに、これぞと思う名作映画の案内も、私に届けてくれる。
会による人間学を探求するとともに、芸術を愛する彼の心情は、
実に細やかで、しかもユーモラスとウイットに富み、
周りを和ませる、会の名司会役でもある。
「宮下さん、この間の椿姫のオペラ映画、大して良かったよ」と報告して来た。
そのチラシを手にすると、なかなかどうして若き日のドミンゴ主演の名作揃いで、
その世界を知らない私でも、惹き込まれるものがあった。
「札幌映画サークル」なるものがあって、
実のある歴史的映画の上映を試みているらしい。
忙中に閑を見出し、ぜひ鑑賞されて心身の涵養を試みられんことを。
そして以前、名女優・故高峰秀子さんのことを書いたことがあったが、
そこに登場する「名もなく貧しく美しく」も上映される。
心洗われるこの旧作も、今の世であればこそ、見られたい。