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2011年08月30日

● 「人間の脳波を止めてしまう言葉」

   
            植松努(植松電機専務)  
      
                   『致知』2011年9月号
                       特集「生気湧出」より


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夢というのは自分で大好きなことを
やってみたいという思いでしょうね。
だったらやったらいい。それだけの話です。


大好きなことをしっかり持つには感動が一番です。

「やってみたい」「すごい」という心があれば、
夢はいくらでも見つかると思いますよ。

でも、その時にできない理由を
いくつも思いついてしまうんですね。

そして、そのできない理由すら考えなくなる最悪の言葉が

「どうせ無理」

なんです。
この言葉が人間の脳波を止めてしまう。
思考が止まると楽ですが、それだと何も始まらない。


「どうせ無理」

ではなく

「だったらこうしたらできる」

と頭を切り替えて考え続けることで
道は拓けると思います。


だけどモチベーションはやる気だけで
高まるものではないんですね。
物事に挑戦し、それを諦められない理由が、
僕の場合は火事場の馬鹿力の源になっています。

僕は「どうせ無理」という言葉が大嫌いです。
この言葉が人の可能性を奪い、その連鎖が
正しくて優しくて弱い子供たちに向かうと知っていますからね。

繰り返すようですけど、僕は「どうせ無理」という言葉を
この世からなくしたい一念で宇宙開発をしています。
目の前の壁が大きいほど、その思いは強くなります。

だから、毎日火事場の馬鹿力を
出すことができるんだと思います。


* *


開発の世界ではゼロから一を生み出すという
大変厳しい問題に挑戦することもありますね。

これは一を二にしたり三にしたりというのとは
比較にならない難しさです。

その時、従来のやり方を維持しようとしたら
負けが始まるんです。

過去のノウハウばかりでなく
時に自分自身すら否定してしまって
「これでいいのか」と本気で動き出す時に、
ゼロから一が生まれるのだ思います。

いまの日本に必要なのは、
その執念と元気なのではないでしょうか。


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