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赤と黄色の鮮やかな茎の色!ブライトライトチャード(西洋ふだん草)

 去る7月6日、支援センターの三部課長一行(三人)が、まほろば農園を視察されました。  
農作業が遅れ遅れで、余りにも手入れが行き届いていなかったので、見て戴くような状態ではなかったのですが、まあ、ありのままを見て頂くしか仕方がありません。  

 しかし、このことが、まほろば農園にとって、さらなる進歩と発展のための大変重要なきっかけとなりました。


小松菜の収穫。研修生の穂積君。

 三部課長がまほろば農園の小松菜の硝酸態チッ素を計測して下さったところ、5,000〜6,000PPM(三部課長によると、これは夏場の標準位だとのことですが、でもこんなにあってよいわけはないのです)の範囲だということでした。
 
 夏場は高温のため、チッ素の放出が活発になり、作物が必要以上に吸収してしまいやすいので注意が必要です。でも0-1テストでバランスよく施肥しているのに何故? 0-1テストが間違っている?そんなハズは・・・!と最初思いました。

 しかし、よくよく考えてみると、0-1テストに盲点がありました。
0-1テストはリアルタイムに、その時、その時の状態を正確に教えてくれますが、まさに、そのことが間違いの原因を作っていたのだと気づいたのです。

 6月に種まきした時に、その時の状態(低温)で0-1テストし、施肥設計します。しかし、その後、どんどん気温が上がっていって、7月に収穫する頃には、チッ素過多になっていたのです。しかも、今年はよく雨も降り、微生物の活動も活発でよけいにチッ素の吸収がよくなったのではないかと思います。  

  さらに、小松菜を作っている第1農場は灌水設備もあり、スプリンクラーがとりつけてあって、暑くなって来たので、結構毎日のように水やりしていたようです。


大地からほとばしるエネルギーを凝縮させるように育つ、ズッキーニ。

 天然自然の摂理は本当に精巧に出来ており、やはりバランスが乱れたところには、虫が一斉に押し寄せて来ます。

 三部課長に分析していただた小松菜の畝と次の畝は虫だらけで出荷できなくなり、しばらく小松菜は出荷できませんでした。  
次の次の畝は少し灌水を控えたので、前よりはよくなり、少しづつ出荷しています。恐らく、硝酸態チッ素は低くなっていると思います。
それに、今出荷している小松菜のところは、もともと土が肥えていないところなので、多少虫の食べ方も違うのだと思います。


 近々、三部課長さんが硝酸態チッ素の計測器を貸して下さることになり、それでいろいろ試してみることになりました。

よかったらまほろばでも購入したいと思っています。
 

手前は人参で、奥はきゅうりです。
 
  0-1テストの実験の仕方については、逆の失敗は今まで気づいていました。
つまり秋から冬にかけては、実験した結果よりも少し多めにチッ素をあげないと気温が下がった時、チッ素不足で病気にかかりやすくなると言うことです。そして気温が下がってからチッ素をあげても、もう吸収できないので、果菜類など10月頃まで収穫しようと思うと、9月の初め頃、追肥をするようにしていました。

 それなのにどうして、春から夏にかけては逆の対応が出来なかったのか、悔やまれますが、これをきっかけによりよい野菜づくりに励みたいと思います。  

 こんなよい機会を与えて下さった農業支援センターの方たちに感謝し、さらによりよい野菜を作ることで恩返しできればと思っています。
 

ミニトマトはハウスのものから出荷中です。


 果菜類はきゅうりに始まって、トマト、ミニトマト、ピーマン、ししとう、甘とう、サラダピーマン、激辛なんばん、伏見甘長、等が出荷中です。
 豆類も少しずつ出荷量が増えてきました。豆類は大平いんげん、玉湖いんげん(早生)、ささげ、きぬさや等です。
 ハウストマトは味はよいのですが、少し水のあげすぎで水っぽいので、水分調整してもう少し味の濃いひきしまった味に仕上げたいと思います。

 豆類は今年から、新しく借りた第5農場に植えてみました。
例年と比べて味の方はいかがでしょうか。
何しろ20年以上、牧草しか生えておらず、石灰以外の肥料が入っていないので、肥料のいらない豆類でさえ放っておくと、葉っぱが黄色くなるほどなのです。
実験すると、ミネラル分が足りないと出るので、いっぱい入れました。 それでも、まだ足りないと出るので、モンゴル塩もまきました。  
 こんなにきゃしゃな体と葉っぱで、こんなにたくさん実をつけてあなた大丈夫?と収穫しながら一人で話しかけています。

でも種は無農薬自家採種何十年という在来種ばかりです。

豆類も少しずつ収量があがってきました。写真は第5農場のささげ。
 あとはお味の方ですが・・・・。出荷優先で私もまだ食べていないので、明日は食べてみることに致します。

(追記)食べてみました。
う〜ん正直、例年の方がおいしいかな〜。もう少し柔らかく、瑞々しくなるように工夫してみることに致します。


とうきびはお盆前後の出荷予定です。


 お店のお客様から聞かれたそうです。
きっとお盆前頃から出荷できるのではないかと思うのですが・・・。

 最初に出来るのは生食系の“みわくのコーン”で、2番目が例年通り“カクテル”です(両方とも遺伝子組み換えフリー)。
 3番目が黒もちとうきび(在来種の自家採種)の順番で、3種類植えました。

おいしいですか?と聞かれても、まだ何とも・・・。
でも、去年よりは順調に育っていると思います。
とれ始めると一気にとれて、販売しきれない時もありますので、そういう時は送りに使いたいと思います。 出荷が始まってから、ご試食戴いて、できるだけ早めに御予約いただければありがたいです。



0-1テストでチェックしながら野菜の声を聴いていきます。

 
 今年はきゅうりを作る畑を半分だけ移動してみました。今まで、第1農場で作っていたのですが、今年は日当たりのよい第3農場でも作ってみることにしたのです。
 その結果、太陽がサンサンと浴びたきゅうりは勢いがよく、スーッと長く伸びて、普通のきゅうりの倍位になるものもあります。
 その長いきゅうりを持って帰って店長(大橋)に「どう?すごいりっぱでしょ!!」と自慢気に見せましたところが、期待に反して店長は嬉しくなさそうです。
グラム単価なので、普通のきゅうりの2本分が一本分にあたるので、同じ値段でも4本詰めと2本詰めでは2本詰めの方が、印象的に割高感があり、どうしても売れ残るとのこと。
「りっぱに作りすぎてもダメなんだ!!」・・・

 そう言えば、ピーマンも去年、皮の薄い京ひかりと、肉厚のさきがけでは、同じ100gでも京ひかりの方が数が多く入るので、さきがけが売れ残ってしまいました。

 さきがけの方をグラム単価を下げて、始めて平等に売れたという経緯がありました。本当は長くてりっぱなきゅうりや、肉厚のピーマンの方がおいしいのに・・・

 さきがけは京ひかりほど成長が早くないし、実の数も多くつかないので、収量が上がらず生産原価はさきがけの方が高いのですが、消費者心理と実態の落差はどうにも仕方がありません。

収穫したきゅうりの選別作業。
 ではなぜおいしい“さきがけ”の方だけ作らないのかと言うと、さきがけは在来種なので、でき始めが遅いのです。それで、早どり用として京ひかり(F1)を作るようになりました。

 F1と言っても、自家採種をくり返し固定種にした、まほろばオリジナルですから、正確に言えば京ひかりではありません。しかし、さきがけと区別するために、京ひかりの名前を残しています。  
さきがけは、今やっととれ始めたばかりで、全量をまかなうことはできません。
 
きゅうりの収穫作業中。
 しばらく京ひかりと両方出荷しながら、さきがけだけでまかなえるようになれば、京ひかりは収穫をやめて、晩秋のカラーピーマン用に、完熟させておく予定です。


 カラーピーマンといえば、今年は赤と黄色のピーマンも作ってみました。 驚くほど一杯に重い実をつけて、色づくのを待っています。
出荷は8月半ば頃からでしょうか。
 カラーピーマンの上と下に背の高いとうもろこしとスナックえんどうがあるので風通しが悪くなって、病気が出ないかちょっと心配です。

色づくのを待つ、まだ緑色のカラーピーマン。



草の布団の中にはジャガイモたちが眠っています。(木はもう枯れてしまいました)


 今年はいろいろ工夫したかいあって、じゃがいもの出来がよく、早出しも出来そうです。
サイズも大きいとのこと。
(福田君たちが掘ってみたそうです)  

味はまだ分かりません。
感謝デー後から少しずつ掘って出荷したいと思っています。
量的にも例年より多めにあると思います。
 8月中旬頃までには、じゃがいもあとに、大根を植えなければいけないので、10日頃までに全量掘り上げる予定です。


 これもお盆前には出荷できるでしょうか。
匠君や皆が草刈をしてくれたおかげで、日当たりがよくなり、葉の緑も濃くなりました。

とても元気そうです。

可憐に小さな花をつける黒豆。

 今年初めて、そら豆を作ってみました。
岡山生まれの私はそら豆がスクスクと育つ環境に育ちました。
しかし、北海道に来てから25年間納得できるそら豆の味に出会ったことがありません。

 ところが、まほろば農園のそら豆を食べた途端に、子供の頃に食べたあの味だと思うことが出来ました。
父方の祖母がいつも庭に作っていて、お祭りに呼ばれて行くといつも塩ゆでして食べさせてくれました。家庭菜園で農薬も使わず、自然に育てていたのでしょう。

 これがそら豆の本来の味だと嬉しくなりました。
そら豆を買って下さった皆様、いかがでしたでしょうか。
来年はもっとたくさん作って、上手に育ててもっと安く売れたらと考えています。





 今年四月よりまほろば農園の仲間に入れていただき、毎日無我夢中の西岡と申します。

自然の真っ只中で汗を流し、鳥の声を聞き、流れる雲を見ながら昼食。
たくさんの色とりどりの昆虫が私の周りを行ったり、来たり。
 
 なんという幸せでしょうか。  
こんな時、生態系の頂点に立つと錯覚している我々人間が、この大自然の中の小さな一員でしかない事に気付かされます。

 謙虚に生きて小別沢の自然の様々のことを教えてもらいながら、人間一人ひとり、本来持っているはずの生きる為の感性を磨き、 自然の「声」を少しでも聴けるようになって、生命力溢れた野菜を育てることに努力していきたと思致します。
どうぞ、よろしくお願い致します。        西岡 秀夫

自然と一体になって作業をする西岡さん。

         


いろんなことを感じながら農園体験中の匠くん。
品種別にきゅうりの試食中。

<農園日記>  

 農園に実習に行き始めて2週間が経ちました。
そろそろ早起きにも慣れてもいい頃ですがなかなか辛いものです。
たった2週間とはいえいろいろな事を身体全体で感じています。
 僕が農園実習を希望をしたのはとても簡単な理由で、「もっと農園野菜を知りたい!」という思いからでした。
一日目のほうれん草の収穫から始まり小松菜、キャベツ、きゅうり、ルッコラ、水菜、にんにく、大根、そして最近では草刈までも任されるようになりました。    
「もっと農園野菜を知りたい!」最初に思った知りたいという気持ちは次第に野菜を通してもっといろんなことを知りたいという気持ちに少しずつ変わっていっていることに気付きました。

 普段何気なく口にしている食べ物。それらはどのような過程を踏み、どのように店に陳列され、今自分の口に入っているのか? なかなか想像はできないものです。

 野菜を噛みしめた瞬間その野菜に携わった全ての人の苦労や、その野菜が育ってきた環境、過程がわかるような野菜はまほろばの野菜でも存在しません。だからこそ僕はお客様に今自分が持っている情報をお伝えしたいと思いました。  

 時代の流れ、流行り言葉のように食の安全性が叫ばれています。
しかしこれは決して流行りではなく僕たち人間が命の糸を繋いでいく上でとても重要なことだと実感しています。もちろんそれは人間以外にも言えることで木々や草花、地球にだって言えます。
人間中心に考えられている中で「地球を守ろう」などの声が上がっていますが、農園実習で自然と触れ合う機会が増えてつくづく思います。『人間は地球に守られ、生かされている』と・・・

 そしてもう一つ。 驚きの後に発見したことがあります。
それは農園野菜のきゅうりについてです。
きゅうりは朝と夕方の2回収穫します。つまり収穫できる大きさを人間でいう大人に例えるならば、夕方に収穫するきゅうりはわずか半日で大人になってしまっているわけです。

 きゅうりの半日は、人間でいう20年?!に相当するのかぁ・・・ ふと『ぞうの時間 ねずみの時間』という本を思い出しました。
身体の大きさによって流れてる時間、感じるスピード、心臓の鼓動は違い、それによって時差が生じているというものでした。
つまり時間という概念は人間の世界だけのものさしであって、きゅうりの世界では比べられない時間が流れているのです。
半日で大人にまで成長したきゅうりはすごいと思ったのは人間の僕であって、きゅうりの世界では普通のことなんだろうなぁなんて思いました。

 こんなことを考えながら僕は、時には目覚まし時計をかけ忘れ寝坊をしたり、時にはひたすら専務を探し坂を駆け上がったり、時には大きな蜂に付きまとわれ頭に止まられたりとハプニングもありながらも、お客様も含めたくさんの方々に支えられながら農園実習に励んでおります。

 この先もたくさんのことを吸収し、それを自信に繋げお客様との話の輪を広げられるように、精一杯頑張りたいと思っています。

                                         
渡辺 匠
 
とうもろこしの草刈中の匠くん。


      2008年8月号
   

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