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まほろば自然農園
 
 
   


     
     下界が根雪になるのは例年12月に入ってからですが、山裾の農園は11月21日(月)をもって冬眠に入りました。

 畑に残っていた大根、キャベツ、聖護院は、取り入れに一番人手が必要な時が土・日に当たり、ボランティアさんや研修生の来てくれる日で、運よく雪の下に埋もれてしまうことなく、回収することが出来ました。本当に感謝です。

 巻き切らない白菜は、大量に雪の下になってしまいましたが、また来年、おいしい菜花になって、再生してくれると思います。





     
     11月23日の夜から降り始めた雨は、雷を伴った豪雨となって一晩中降り続き、あっという間に山の畑の雪までも、すっかり融かしてしまいました。

 例年こんなことはないことで、ミラクルとしか言いようがありません。気温も不思議なほど肌に優しく、「それーっ」とばかりに収穫です。小松菜や白菜、ほうれん草を採れるだけ採りました。
予期せぬ神様の贈り物で本当に感謝です(でも、本州の方では集中豪雨で、被害を受けた人たちも多いようなので、申し訳ない気持ちもあります)
白菜は、巻きが甘いのですが、漬物用でなければ十分使えると思います。


 


     私はと言えば、収穫専門だったのですが、もう山は根雪になってしまったとばかりに、野良着も、レインコートも、手袋も、帽子も全部きれいに洗濯し、車までクリーニングして、今期終了の予定でした。

 これからは、暖かい家の中で、12月の感謝デー用の豆類(花豆、うずら豆、とら豆など)の選別をしながら、農園だよりと、もう一本原稿(これは出来てからのお楽しみです)を書く予定でした。でも天候異変は嬉しい誤算です。


     




       
   

 とは言え、もう車は汚したくないので、もっぱら収穫した小松菜の処理を担当することにしました。

 畑に下りると、長靴が汚れて、また車が汚れるので、乗ったまま、小松菜を積んでもらいました。
でも後で、神聖な畑を汚いもの扱いしたようで、何となく後ろめたい感じでした。15年間、農園命(いのち)でやって来たのに・・・




 
     
     
     今年は例年よりも、夏の旱魃、秋の長雨が極端で乾燥しやすく、潅水設備の十分でない山すその露地の軟弱野菜は、思うように作れないところは多かったけれど、重粘土の土も堆肥や、雑草の鋤きこみで年々良くなり、自家採取の種も年々丈夫になり、近辺の農家さんより被害は少なかったようです。

 露地のきゅうりもナスも10月まで採れたし、ナスは去年より肌がきれいに、柔らかくなりました。
露地トマトは、一番高い水はけの良い所を選んで植えましたが、思ったより、山の木の陰になり、管理も行き届かず、味も不本意だったのですが、寒さが来て、木を整理する10月まで採れました。

 あれほどの秋の長雨にもかかわらず、白菜もキャベツも、人参も、こかぶも、青菜類も病気一つ出ず、害虫の害も殆んどありませんでした。白菜、キャベツは今までで一番きれいだと思います。

 ほうれん草、水菜、ルッコラ、小松菜、春菊などは、種まきが遅くなり、大きくなりきれないものもありましたが、一部のほうれん草を除いては、きれいに出来ました。
ほうれん草は、2年前から借りた痩せた粘土質の土で、堆肥も余り入ってない一番低い場所に植えた1ベッドだけが、いじけて上手に出来ませんでした。ほうれん草は、アルカリで、水はけのよい、フカフカの肥えた土でなければよいものが取れないのですが、そう簡単に、ほうれん草の作れる土にはなってくれないようです。

 大根は、初期に輪黒大根が出ましたが、後になるほど良くなり、ほとんど問題ありませんでした。



   

     
   

 土地の人の話によると、もともと小別沢一帯は、粘土質で石の多い、たまり水が赤くなるほど鉄分の多い、不毛の地だったようです。
ジャガイモや豆類だけは良く出来たけれど、大根はセンチュウの害がひどく、きゅうりは農薬をかけても、お盆過ぎれば、うどん粉病で枯れてしまい、土地の人は、自家用にさえ余り作らないようです。
 
 それが、一応何でも作れる土になってきたのですから、きっと凄いことなのです。
15年前は草も生えず、生えてもまばらで、痩せて細く黄色っぽい色で、大豆も育たないような土地でした。

 今はもう高齢で農園には来られなくなりましたが、まほろばのお客様だった竹縄さんと一緒に、30センチにも伸びない痩せた大豆の草取りをしたのは何年前だったでしょうか?




 

   
     
     作物の育ちやすい団粒構造の土を作る為に、0−1テストの求めるままに、どれだけ多くの堆肥やミネラル、ヌカ、雑草を鋤きこんで来たことでしょうか?
それでもまだ土は粘土質で、理想的でないところはいっぱいあります。でも雑草だけはしっかり生えるようになりました。

 雑草の種類も変わってきました。
やせた蓬や、つくしや、びんぼう草や、月見草が、生えていた所に、今では母子草(はこべ)が生えています。はこべが生えるところでは、難しいほうれん草もキャベツも健やかに育ちます。
ただし、ハコベが生えるような土ということで、はこべと、ほうれん草やキャベツは共生できません。
日当たりや風通しが悪くなり、軟弱になって(場合によっては軟腐病も発生)、収穫もしづらいからです。

 キャベツも水分を多く必要とする作物ですが(ハコベは乾燥を防いでくれますが)、根元が湿気て風通しが悪いと、夜盗虫や、ナメクジや、かたつむりの被害に会ってしまいます。
真夏は、多少、草も生えている方が乾燥に耐えられますが、雨の多い時は、たちまち害虫の棲家になります。




   

       
       寒さが厳しくなると、害虫も動きが鈍くなり、今度は多少の草が風除けになり、防寒対策になります。
     しかし、冬は日照時間が短くなり、太陽の光が足りなくなるので、それの配慮も大切です。
雑草は土の表面の湿度を保ち、土壌菌の繁殖を助けてくれますが、季節によって、作物の種類によって両刃の剣です。





       
     土も種も良くなって、すべての野菜の作り方のノウハウも、完成しかかっているのに、毎年、失敗作も多いのは何故でしょうか?

@種類が多すぎて、一つ一つに手が回らず、管理が行き届かないこと。
これは大きいと思います。来年から思い切って整理してみます。
A季節外れのものを作ろうとして失敗
 
これが一番大きいのではないかと思います。



     改めて振り返ってみると、出来るだけ早く農園野菜をお客様に届けたいという試みは、殆んど失敗しています。
白菜や大根を、春、早く植えすぎて、トウが立ってしまったり、露地で、きゅうりやナスやスイカやトマトを、早く作ろうとしてトンネルし、毎年のように強風で飛んでしまい、何度もやり直しているうちに、寒さでいじけて、反って成長が遅れたり、夏には、トンネルして、寒冷紗をかけて、露地で作りにくいカブや青菜類を、無理して植えて、結局まともなものができなかったり・・・

 ちっとも自然農法じゃないな〜〜〜〜〜〜!!
そんなことに、手間ヒマかけているうちに、ただ、種を播けばスクスクと育ってくれる季節野菜の種まきや、除草、追肥のタイミングを逸してしまったり・・・
原点に立ち返って考えてみれば、ちっとも自然農法じゃないな〜〜〜!!
省エネじゃないな〜〜〜〜〜〜!!
天地自然の運行に合わせて、北海道で、札幌で、自然に出来るものだけを、出来る時にだけ作る。
それで良かったし、それでなければいけなかったのに・・・
それでこそ、本当に生命力の強い立派な野菜が作れたのに・・・・・

@種類が多すぎて、一つ一つに手が回らず、管理が行き届かないこと。
A季節外れのものを作ろうとして失敗。

@もAも、まほろばで販売するものを作ると言うことに重点が置かれすぎて、いつの間にか軌道から外れかかっていたと思います。





       
     ある時、上手に出来なかったこかぶを前に、今年から農園を手伝ってくれるようになった息子が言いました。
 「母さん、これがまほろばの野菜ですと、自慢出来るような野菜を作りたい。
どこにもない胸をはって誇れるような野菜を作りたい」

 母さんも同じ思いでこれまでやってきたつもりだったのだけれど。・・・
いつの間にか少しずれていたのかも・・・
 にもかかわらず、今年もまほろば農園の野菜を買って下さって、本当にありがとうございました。
年の瀬にあたり、深く感謝申し上げたいと思います。
 
  来年は原点に立ち戻って、シンプルに軌道修正していきたいと思います。




    NTTの「オーガニック iタウン」の掲載コラムに
まほろば自然農園が紹介されています。ご覧下さい!

 →http://organic.itp.ne.jp/maestro/mahoroba_a.html
       

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