![紙(最終篇).jpg](http://www.mahoroba-jp.net/blog/%8E%86%81i%8D%C5%8FI%95%D1%81j.jpg)
「エリクサーから無限心へ W」の結論は、
『母性』であった。
それは、次代のキーワードであり、
現代の混沌を説く鍵であると確信している。
「ダヴィンチ・コード」のテーマも、そうではなかろうか。
キリスト教という宗教さえ男性優位のヒエラルキー、
権力構造を形成し、この2000年間、
差別・戦争という人類の無明を
遂に解決することが出来なかった。
いな、この根底にある男女格差の思考が、
今日の混沌を創り出したともいえる。
![XY 遺伝子 2.jpg](http://www.mahoroba-jp.net/blog/XY%81%40%88%E2%93%60%8Eq%81%40%82Q.jpg)
先日、このテーマに楔を打つ科学的考察が放映された。
NHKの特別スペシャル「女と男」を観られた方も多かろう思う。
一言で言えば、男性がこの世から消える、ということだ。
「性染色体がXXなら女、XYなら男。
1億7千万年前に獲得したこの性システムのおかげで、
私たちは命を脈々と受け継いできた。
ところが、この基本そのものであるシステムは、大きく揺らいでいる。
じつは男をつくるY染色体は滅びつつあるのだ。
専門家は「数百万年以内には消滅する」という。
なかには、来週になって消えても不思議ではないとする意見さえある。
![XY遺伝子 3.gif](http://www.mahoroba-jp.net/blog/XY%88%E2%93%60%8Eq%81%403.gif)
じつは「遺伝子できちんとオス・メスを決め、
両者がそろって初めて子孫をつくる」というのは、
私たちほ乳類が独自に獲得した方法だ。
ほかの生物はメスだけで子孫を残せる仕組みを持っている。
そのほ乳類独自のシステムが長くほ乳類の繁栄を支えた一方、
いよいよその寿命が尽きようとしているのだ。
さらに人間の場合、Y染色体を運ぶ精子の劣化も著しい。
これは生物学的に一夫一婦制が長くなった影響だという。
こうした性システムの危機に私たちはどう対応すべきなのか。
シリーズ最終回では、いわゆる試験管ベイビーが生まれて30年、
生殖技術をめぐる最前線もたどりながら、
現在、性の揺らぎが引き起こしているさまざまな影響を追う。」
(NHKスペシャル・『シリーズ女と男/最新科学が読み解く性』より)
![XY遺伝子 1.gif](http://www.mahoroba-jp.net/blog/XY%88%E2%93%60%8Eq%81%40%82P.gif)
その時、私が直感的にイメージしたのが、
「無極、太極を生み、太極、両儀陰陽を生む。・・・・・」
と言った『易経』の件(くだり)だ。
万物の存在は、元々一元である、という思想哲学。
ならば、男女の性も、果てしない太古には、
別は無かったはずだ、という推論は成り立つ。
そして、分かれた両性は又何時か、一元に戻る時が来る、
という遠大な生命論理の予測は、
測らずも、科学の視点で、これが立証されそうなのである。
![太極図 2.jpg](http://www.mahoroba-jp.net/blog/%91%BE%8B%C9%90%7D%81%40%82Q.jpg)
女性器には男性器も兼ね備わり、本来両性具有であると言われている。
女性から分化したのが、男性であり、元より従属的性である。
この生理的、派生的起源を辿れば、放映されたように
生殖目的、子孫繁栄のために、男性が長い歳月の間に発生して、
また用を無くせば、放擲される存在であることも事実らしい。
何とも、一男性とすれば、寂しい話であるが、
それが大概的に見て、現実性を帯びる。
例えば、宗教的に見れば、観音様や如来様は、
男女の性を超えた両性具有であり、
霊界ではそれが本性であるようだ。
だから、生命の本質から見れば、
生んで育てられる女性が性の本来であり、
最後に生き残るのは、女性なのであろう。
やはり、「女は強し、母も強し」なのである。
ちっとも、女が弱しとはならない。
つまり、この世から男がいなくなっても、女性は困らないのだ。
この有史以来の戦闘に明け暮れた人類史は、
男性優位社会の出来事であった。
それ以前の無史は、女性本位の母性社会であった、とされる。
その潮流は、生命を誕生させ、撫育させる本能の
赴くままの無為自然の理想社会であった。
為に、名を残すことも、財を残すこともなく、
それは、愛に満ちた地上天国でもあった。
現代社会が、愚弄の限りを尽くして、
行く先の見えぬ今日を迎えたかの原因は明らかであった。
![XY 遺伝子 4.jpg](http://www.mahoroba-jp.net/blog/XY%81%40%88%E2%93%60%8Eq%81%404.jpg)
その解決は、ただ一つ「母性」に戻る以外にないであろう。
それは、単に男女対立する所の女ではなく、
それこそ、仏のような、観音のような
両性具有の陰陽統合された性に戻るべきではなかろうか。
それこそが大同社会であり、理想世界の未来像である。
今、この一歩、まほろばは、
この一歩を歩もうと踏み出した。
![観音 弁栄上人 1.jpg](http://www.mahoroba-jp.net/blog/%8A%CF%89%B9%81%40%95%D9%89h%8F%E3%90l%81%40%82P.jpg)
(山崎弁栄御上人筆 「観音菩薩図」)