昨朝、新聞記事で京セラの稲盛和夫名誉会長の新刊、
「働き方」を知り、早速購入。
久しぶりに、短いながら読み応えのある、
肚にズシリと来る本に出会ったという感がした。
昨今の「ありがとう」ブームは、誠に良い傾向とは思うものの、
何か地に足の付かない浮遊感が否めないのも正直ある。
それは、現実社会を真っ向から見据える、
自分の置かれている仕事を抜きに、今を語れないと思うからだ。
古いと思われるかも知れないが、仕事に対して
差し迫った、止むに止まれぬ志や没頭が要るような気がする。
仕事に対して、他人事や会社事としない、
自分事として取り組むその凄まじいまでの気魄を、
稲盛氏の青春時代からの今日までの姿勢に学ぶ事が多く、
また反省させられることも限りなかった。
1、「心を高める」ために働く・・・・・・ど真剣に働く・・・
2、「仕事を好きになる」ように働く・・・・・仕事に恋をする・・・・・
3、「高い目標」を掲げて働く・・・・持てる力をすべて出した時「神が現れる」・・・
4、今日一日を「一生懸命」に働く・・・「もうダメだ」という時が仕事の始まり・・・
5、「完璧主義」で働く・・・最後の「1%の努力」で決まる・・・・
6、「創造的」に働く・・・・あえて「人が通らない道」を歩む・・・・・
これら、言い古された言葉であるが、
稲盛氏の鬼気迫る仕事の鬼になった姿は感動的だ。
目の前の仕事を、兎に角真剣にとことんやり抜く。
他に、解決の道筋がある訳ではない。
同じセラミック造りに没頭する姿勢に、
何か同じような共感を覚えたのだ。
片や、時代の寵児、最先端のファインセラミックス。
片や、時代の落し児、オールドセラミックス。
セラミックスの繫ぎの問題で煩悶していた時、ひょんな事で閃いたのが、
原料とパラフィンワックスを混ぜて成形し、焼成してパラフィンを飛ばす事だ。
これは、私の拙い経験だが、原料に炭の微粉末を混ぜて、
火で焼き、表面積を拡げたアイデイアに似ているな!と思った。
素人の力ー「自由な発想」ができる・・・
ということでは一致していることには驚き、また歓喜した。
無機化学を知らず、経験の全くない田舎の一青年が、どん底の会社に入社。
世界に比類なきセラミックを作るまでになったその経緯は、
全く何にも頼らず、臆せず、独りで悩み苦しみ工夫した結果だったのだ。
最後には、最大手のセラミック会社の社長の問いが面白い、
「我が社は、一流大学の窯業科出の優秀な研究家がいて、
お宅は専門のドクターさえ居ない。
どうして我が社で出来なくて、
あなたに出来るのか?」
その時、氏は気付かれたという。
「創造」というものは、「素人」がするもので、
「専門家」がするものでないことを。
新しいことが出来るのは、何物にもとらわれない自由な発想、
冒険心の強い素人こそがそれが出来る、と説かれる。
経験や前例や常識からは、何も生まれない!と。
この本から、無限の勇気と希望を戴いた。
これからの若き人に、贈りたい!!!