2010年07月29日

●「憐れみ給え、わが神よ」

これはこれは、貴重なお宝映像。
彼の歴史的名ヴァイオリニストのユーディ・メニューインと
アルトのユーラ・ビーラ嬢が唱うバッハの「マタイ受難曲」
『憐れみ給え、我が神よ』の劇的な告白場面。
若い時、何度もこの場面で涙した。

使徒ペテロに、イエスが
「明らかに告げる。汝は今日、今夜鶏が二度鳴く前に三度我の事を知らぬと言うであろう」
と予言した通り、それを事実とした己の愚かさを悔いて、この劇的な独白をする。
タルコフスキー監督の映画「サクリファイス【犠牲】」にこのアリアが流れる。
同名の曲と本を武満徹と柳田邦男が創作している。

嘆くのは、独りペテロだけではない。
ある期待を裏切り、ある愚かな行為で毎日を過ごす。
私たちも、また一人一人のペテロなのだ。
「神よ、憐れみ給え」と。


(バッハ演奏の申し子と言われたカール・リヒター指揮によるマタイ)

2010年07月28日

●花との対話

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店前のつくばいに今年も一輪の睡蓮の花が咲いた。
それを報せに経理の斉藤さんが走って来た。
彼女は今、店のお花係で、毎朝世話するのを楽しみとし、癒しとしている。
何でも枯れかかっている植木鉢を彼女のそばにみな持って来る。

すると何日かして、たちどころに生き返らす。
人は「魔女の手わざ」と呼ぶ。
藤原さんのご主人も、その類の人で熱帯魚や蘭の世界では北海道一。
生物と心が通じる人に、嘘はないと本当に思うのだ。

2010年07月24日

●「発酵の辺り、機心の触り」と小泉先生

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「森下自然医学」8月号が届きました。
今回の「北の空から」は『発酵の辺(あた)り、機心の触(さわ)り』と題して、
「発酵仮面」「味確認飛行物体」こと東京農大・小泉武夫名誉教授の事々を中心に、
発酵醸造と手仕事の関わりを綴ってみました。


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8月26日に、第2回の森下・小泉両博士の対談が午後からあり、
私もまた司会役で、馳せ参じます。
ところが、当日夕方から小泉先生のNHK生出演が決まり、急遽午前に変更、
さてもさても相変わらず、お忙しい先生であります。

その冊子で、秋山素子先生が主宰する「俳壇」コーナー。
わが社のゆかりちゃんのお父さんの句が選ばれておりました。

  久方の便りを胸に春かすみ
                (群馬県) 城越 清

 「久しぶりに届いた文です。誰からのものとは記してありません。
手紙のやさしい気配りに、作者の心が穏やかになったのです。
手紙そのものを胸に抱くようにしたのか、便りの中の言葉を、
胸に繰り返しているのか、両方なのかわかりません。
どちらでもかまわないと思います。
季語の生かされた句です。(春霞:春の季語) 秋山素子 」

この手紙の主は、やはりゆかりちゃんでした。
「父の日」に感謝やねぎらいの言葉を綴ったのでしょう。
孝行娘は、遠くにいても父母を忘れず、
親も片時も、子どものことを忘れず、
茫漠たる霞の中に、何か言い知れぬ切なさがありますね。
親って、そんなものです・・・・・・。

2010年07月21日

●「無限ハート」即興曲を笙とギターで・・・・・

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15日(水)に地下洞「無限心庵」にて笙とギターによるコンサートが開かれた。
新進気鋭の二人、笙YUUさんと小関佳宏さん。
プロデュースは、設計士・遠山整子女史。
未知なる二人の出会いを作られた。

誠に失礼だが、期待以上、想像以上の素晴らしさに驚かされた。
その神秘の音色は、地下洞で一層深みを増した。
笙は古典より「抜頭」、ギターは新作「星と月と」の独奏から始まる。
休憩を挟んで二部の冒頭、私が、「無限ハート」の由来を解説。
その印象を、二人が即興で返すというもの。
先ずは妙技をお聞き下さい。

題名は無論「無限ハート」。10分余りの大曲。
一瞬の掛け合いや間取り、その微細な感性に感嘆するばかり。
唱歌や世界の名曲を合奏した後、
笙YUUさんの作詞と唄による「紅色の声」。
何と、本邦初公開とか!!!

「虹色の声」
           詩、笙YUU

一、笙の音は 鳳凰の鳴き声
  僕の背中に 羽根をくれます
  彼女の声は いろんな鳥の声
  どこにいても どんな時でも
  みんなの背中に 羽根をくれます

二、笙の音は はるか古の声
  僕の耳に 良く聞こえます
  彼女の声は そよ吹く風の声
  どこにいても どんな時でも
  みんなの耳に 良く聞こえます

三、笙の音は 光ふる音
  僕の心を あたたかくしてくれます
  彼女の声は 虹色の声
  どこにいても どんな時でも
  みんなのこころを あたたかくしてくれます

楽器が肉体化する、自分の一部になって自在に語れる。
これが、本来の音楽のありようなのだろう。
借り物でない、内省からの声を聞き取る。
そして、それを再現する。

この天賦の才能を与えられた二つの原石が世に輝き放たれんことを。

http://www.syouyuu.jp/(笙YUUさんのHP)
http://kosekit55.blog.shinobi.jp/(小関佳宏さんのHP)
(二人のCDアルバムを、まほろばで取り扱っています)

2010年07月20日

●ある日の慰安会

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創業祭の後の14日、恒例の慰安会のため休業とさせて頂きました。
今回は、視察学習会も兼ねて、店に最も近い「まほろば自然農園」の見学会。
「灯台下暗し」と言われるように、わずか10分ほどの処でも、来れない人もいる。
毎日互いに、猛烈に忙しいので、普段行ける様で、なかなか行けないのが現実。

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その日、まほろば農園・洋子社長からの説明があり、
この広い9町もある、6箇所のほ場をよく管理しているものだと、みな感心することしきり。
何事も、百聞は一見に如かずで、全身で感じた農業の大変さ、作る素晴らしさを、
日々、店でも感じながら、お客様に伝えていって貰いたい。

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その後は、楽しみの食事会。
お店は、手稲オリンピア登り口にある、瀟洒な建物「ジャルダン ポタジェ テラニシ」。
オーナーシェフ寺西健雄は農園を持たれて、「寺西さんちの野菜畑」という意味らしい。
戴いた料理のそれぞれが、野菜の旨味・香りを十二分に引き出していて繊細で生きいきしている、
という印象で、様々な野菜から取った下味は絶妙である。

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この「野菜のフレンチレストラン」は99年にオープンして11年目。
玄関前の大きな立ち木を生かしての店造り、こだわりがそこかしこに見受けられる。
山麓の空気、小川の瀬音、夜景の煌き、そして心からの料理。
これまで、ここを知らなかった事が恥ずかしいほどだった。

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自根栽培の野菜の旨さ、全体食の味わいのバランスを力説される寺西さん。
まほろばの宇宙から自然、人生にわたる全体観や、
「小国寡民」の自立する経営論に通じる生き方に深く共鳴することが出来た。
ここにも隠れた真人、素晴らしい出会いに、天の配剤の豊かさを感じた。

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札幌訪問の方に、是非ご案内したい名店の発見でもあった。
皆様も、一度は尋ねて見られることをお勧めします。
40人もの従業員みな、お腹も心も満足して、あとは
阿弥陀籤の景品に一喜一憂、ジャンケン合戦もあって大はしゃぎ。
「よろこびの家」のコンちゃんの詞に匠店長が作曲して歌ってくれた。

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三々五々、今日はとても癒された一日。
皆には、本当に毎日毎日苦労のかけっ放しで、申し訳ない。
この一時が、少しでも明日への英気となるよう望むや切なり。
皆の屈託の無い明るさが、生きる救いとなり、希望となる。

http://j-potager.com/(「ジャルダン ポタジェ テラニシ」さんHP)

2010年07月19日

●「七五三塩/焼塩」新発売!!

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かねてから念願だったオリジナル焼塩が完成!!
その名も「「NAGOMIEN ROST」「七五三焼き塩」。
その解説を、後日HPでUPしますが、
今回改めて手塩にかけた各塩を順序立てて整理してみました。

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(黒キャップの試験管が「七五三塩」の完成品)
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上から七海洋、五大陸、三山脈、一ELIXIR SALTにわたって、約24種類もの塩が並ぶ。
一緒くたにすると、凡庸で何処でもある塩か、との印象が、
こうして別々に材料を並べると、ある種の感動が伝わり、
これほど入っていたのか、という驚きが先行します。

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                 (「七五三焼き塩」300g ¥1、575 )

生「七五三塩」は幾分、海水塩の水分が全体を重たくさせていましたが、
今回、低温で短時間焼成、ニガリ分を飛ばして粉砕。
食卓塩として使い勝手が良くなるように、手を加えました。
(余りにも長時間・高温で焼成すると生のミネラルが変成したり消失するので)
評判はすこぶる良好で、今までには考えられないほど、
円やかで使い易くなったとの声を戴いております。

次は、再結晶塩への挑戦かな!

2010年07月18日

●まほろばソフトの秘密

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(ナチュラルチーズのオーソリティー、アルザスのモランさんが
「フランスにもない!本物の味!!」と絶賛してくださいました)


いよいよ、北海道も夏本番!!
まほろばソフトクリームのデバンダ!!!

「世界・山のチーズグランプリ」の共働学舎とまほろばのコラボレーション。
その名も「ジェラートビターレ」訳して『イノチのアイス』。

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世界初の無添加アイスを実現。
というのも、ソフトクリームは誕生当時から添加物入りだった。
それは「乳化剤」。
これが無くては固まらない、滑らかにならないから。

ソフト=添加物の宿命は延々と続いた。
そこを、まほろばは見事断ち切った。
この肝心の処は、あまり知らされていない。
だからその証拠に、時々脂肪球が出る。

原料がすごい!!
砂糖は、果糖。
バニラは、オーガニックバニラエッセンス。
α-リノレン酸のエゴマ油。
隠し味に、モンゴル塩。
アイス並みに自然卵。

そして何と言っても、最後は、
ブラウンスイスの牛さん達に、
エリクサー水を飲ませていること。
ウッシー!!

さらに「大空と大地のしたで」、
新鮮に生い茂る青草を、思う存分食べていること。
こんな幸せな牛さんから健康な牛乳が出ないはずがありません。
まして、ソフトクリームが。

是非、店にお越しの際は、ソフテリアにお寄り下さいませ。

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