件のホメオパシー事件は一時、世間を騒然とさせた。
アカデミックな日本学術会議の発表ゆえに、
真相と経緯を知らない一般人は、忽ち疑惑の先入観を刷り込まれた。
この事で、関係者は相当ダメージを受けてしまったことは確かであろう。
何より代替医療・統合医学全てにわたってのイメージを悪くされたのは残念だ。
ヨーロッパでは長い歴史もあり、保険も利き、ごく普通に利用されているホメオパシー。
その第一人者である明治薬科大学の大槻真一郎名誉教授。
先生は、その効用の体験者であり、普及に尽力され、著作も多く出版されておられる。
その大著が下の「ホメオパシー大百科事典」である。
そこに至った経緯を、あとがきから読み取って頂きたい。
監修者あとがき
人問が本来持っている自然治癒力を高め、
副作用なく治療できるホメオパシー療法は、
欧米、カナダ、インド、オーストラリア、メキシコなどの国々では、
すでに広く認知され、医療の現場でも取り入れられています。
それらの国々に比べて日本での普及は、かなり遅れていたわけですが、
ここ2〜3年、ホメオパシーへの関心が急速に高まりをみせております。
50年問、人問の知恵の原石をひたすらに捜し求めて、
私は古代ギリシャ、ローマをはじめ、
中世、近代ルネサンスの博物分野の原典研究、
翻訳など数々の文献を手がけてきました。
そして最後に辿り着いたのがこのホメオパシーです。
ホメオパシーこそ、副作用のない自然薬として
21世紀の最もすばらしい医療文化の幕明けとなるものであります。
私が手掛けた大きな仕事の一つに『ヒポクラテス全集』
原典からの全訳があります。
彼は2400年以上も前のギリシャ人で、「医学の父」とされている医師ですが、
また彼の同類療法的考え方は、現在のホメオパシーにつながっているため、
「ホメオパシーの祖」とも呼ばれているのです。
自然のサイン、例えば嘔吐、化膿、その他もろもろの症状は、
それらを止めるのではなく、嘔吐は嘔吐によって、化膿は化膿止めではなく、
化膿を促進・熟成させて治すというのが同類療法です。
ただし、病熱に対しては冷やすといったいわば対症療法的な治療も多用しており、
たいへん合理的な思想の持ち主だったと思われます。
本書は、先に私が監修した『ホメオパシーハンドブック』とは
くらべものにならない詳細かつ読みやすい、
オールカラー図版付きのエンサイクロペディア本です。
そのレメディーには、大自然の神が示す精気のサインを
読み解く知恵の一滴、一粒を感じずにはいられません。
なかでもシリアスな病気をホメオパシー的に分かりやすく図解した
「重い病気」の章は、圧巻であります。
本書の刊行が、遅れに遅れた日本でのホメオパシー定着の
福音の一つになることを心から願ってやみません。
大槻真一郎
(「ヒポクラテス全集」全三巻 大槻真一郎)
実は、「まほろばエリクサー」の真の意味を伝授して下さったのは、
他ならぬ大槻先生ご自身であった。
「今と永遠を繋ぐ」「此岸と彼岸を繋ぐ」橋渡しの意味を解き明かされた。
その経緯は、「エリクサーへの道」に詳しいが、
私にとって、掛け替えの無き大恩人でもある。
錬金術学に詳しく、医聖としての古代「ヒポクラテス」、中世の「パラケルスス」の
日本における権威で、これからの医療の先端を照らす灯心でもあった。
ホメオパシーの真の真とする所を、理解されることを望みたい。
事実、エリクサーには、ホメオパシーの基本レメディーの情報をすべて入れている。
それに関して、歯科医師でもあり、0−リングテスト認定医でもある
東京日本橋の「明徳会理事長」の福岡博史先生は、東西融合医療を目差し、
代替医療を実践的に多用して、多くの患者さんに福音を与えておられる。
そのブログを読まれ、真のホメオパシーに対する理解の輪が広げられんことを。
2010年08月29日
「荒唐無稽」な医療
福岡博史
ホメオパシーを使って標準医療を行わなかった助産師による医療事故のニュースから、
新聞各紙にホメオパシー医療について否定の報道が続いています。
そして、天から降ってきたように24日、日本学術会議の金澤一郎会長による
「荒唐無稽であるがゆえに医療従事者は使わないように」という談話、
それに続いて日本医師会・日本歯科医師会・日本薬剤師会がその談話に賛成を表明、
ひとつの医療を独自の調査をすることなく、
たった数日間で一刀両断することは、
日本の医療史上きわめて稀なことでしょう。
何か政治的思惑があったのでしょうか?
もちろん、現在日本で行われているホメオパシー医療の危険な面がこれで明らかになり、
解決に向かうことについては大変よかったと思っています。
ここで出てきた学術会議会長の「荒唐無稽」という言葉。
言動がでたらめで、全く現実味のないこと。
言うことがとりとめもなく、考えによりどころがないこと。
という意味です。
その根拠として紹介されたのは、海外の一論文。
この談話は残念ながら、さすが国内最高峰の日本学術会議!
と唸らせるような科学的コメントではありませんでした。
この論調は、経穴(ツボ)も経絡も科学的に認められないし、
科学が発展する以前の伝統医学、プラセボであるという論文さえ用意すれば、
ある日突然「鍼灸」なども排除されてしまうような勢いです。
ホメオパシーは、その理論に科学的根拠が立証されていないと否定することに異議はありませんが、
そこまで言うのならば一論文だけでなく、せめて国内でもっと精査し、
整理してから発言してほしかったと思います。
「標準医療の否定」「国内においてホメオパシー医療が行われている環境」
「ホメオパシー医療を実践する団体の思想の違い」
「医薬品ではない国内のホメオパシーのレメディ(砂糖玉)と医薬品として認められている
海外のホメオパシーのレメディ」「問診から始まるホメオパシー医療全体としての効果」を
分けて考えれば、荒唐無稽にはならないように思います。
実際、レメディそのものの効果は別としても、
ホメオパシー医療におけるコンサルテーションは、
現代医学にはない素晴らしい心身医学的療法であると思います。
(この点は、日本学術会議も医師と患者のコミュニケーション不足があることを
素直に反省していましたね。)
もちろん私は、常に標準医療をベースとした歯科医療を25年以上実践してきました。
標準医療(現代医学)の素晴らしさもその限界もわかってきました。
各種代替医療を用いるのは、症状があるのに現代医学的検査で異常が見つからない場合、
現代医学的治療では効果がない場合、
実践する現代医学的治療を別の側面からサポートする場合です。
「あなたは検査の結果、異常はありません。」と診断されても、
症状を訴える目の前にいる患者様に提供できる医療はないか?
「外科手術はしたくない。」という患者様に対して、
少しでも楽に安心して手術を受けられる方法はないか?
など・・・
統合医療とは、
「個人の年齢や性別、性格、生活環境さらに個人が人生をどう歩み、どう死んでいくかまで考え、
西洋医学、相補・代替医療を問わず、あらゆる療法からその個人にあったものを見つけ、
提供する受診側主体の医療」(統合医療塾)
私は地球上のあらゆる療法を知っているわけではありませんが、
まずは科学的根拠のある医療、
そして学習可能で一定数以上の人間がその効果を体験している医療の中から、
目の前の苦しむ患者様にもっとも適切な医療を提供できることが、医師としての目標です。
そして、それが「荒唐無稽」な医療かどうか?
その答えは全て患者様が出してくれます。
それが受診側主体の医療です。
そのホメオパシーとその対極にあるアロパシーの二つの概念を、
さらに昇華させたのが「まほろばフォロパシー」です。
毒にせよ、薬にせよ、その対立相対概念で打ち消すのではなく、
全体で覆い尽くす、といったイメージならば理解し易いでしょうか。
「たらちね」は身性、「かぎろひ」は心性、「とほかみ」は霊性の3段階で構成されています。
これは何百何千という情報を持つ『まほろばエリクサー』のセラミック原液を元としています。
この概念が理解されるのは、もう少し先かな、と思っています。
しかし、既に体験者が少なからず現われていることに、希望を抱きます。