まほろばblog

「ピンチの時こそ閃きは近い」

11月 4th, 2013 at 9:23

上田 正仁(東京大学大学院理学系研究科教授)

※『致知』2013年11月号
特集「道を深める」より

9784893088024[1]

 

大きな発見や画期的な研究成果を挙げる人は、
どちらかというと
成果に鈍感なタイプが多いように思えます。

トーマス・エジソンはまさにそうでした。

彼は子供の頃「1+1=1」と主張しました。
1つの粘土と1つの粘土をくっつけると1つ
だというわけです。

エジソンは幼少期から何にでも疑問を持ち、
納得いくまで教師に質問を続けた話は有名ですが、
それではなかなか先に進むことはできません。

それでも、成果を焦らず、
失敗を恐れず取り組んだからこそ、
大きな成功を手にしたのでしょう。

安易な成果を求めず、
自分の可能性を極限まで追求したいという
高い志を持って試行錯誤を続ける「諦めない人間力」は
学問やビジネスの世界だけでなく
人間のすべての営みに通じる創造力の源泉です。

いま社会は原発問題や財政・金融危機など
マニュアル力だけでは立ちゆかない
状況に追い詰められています。

ここで問われるのが、
まさに「自ら考え、創造する力」にほかなりません。

どうしても打ち破れない壁にぶつかった時に、
勇気を持って本来あるべき原点に立ち戻ることで、
新しい閃きが生まれる可能性が高まるのです。

ピンチの時こそ閃きは近い――。

これもまた学問やビジネスに
共通する人生の極意なのです。

* * *

「自ら考え、創造する力」は
どのようにして養い、高めていくのか。

その他、ノーベル賞を受賞した
小柴昌俊博士や益川敏英博士など、
成功者に共通するものとは。

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