マート城山さんから
1月 13th, 2012 at 17:39まほろばの長いお友達で、埼玉の和光市で自然食品店「マート城山」さんを
経営されている海藤さんからメッセージを戴きましたのでご紹介します。
「2011年、無肥料自然栽培農産物の販売を振り返り…」
マート城山 海藤芳勝
新年、明けましておめでとうございます。
昨年は皆様のご協カの元、農業者大学校の見学会や11月20目に行った和光市での秋のフォーラム
「これからの食糧・農業・経済」も無事に終える事が出来ました。心より感謝申し上げます。
昨年の単店での農産物全体の販売は非常に厳しかったと思います。
3・11の震災や福島第一原発の事故による放射能汚染から、販売業績は大きく後退し、
又気候変動の大きな影響で夏場の饒菜類は傷み等が多く、
相場も高値や安値の幅が大きく見られました。
但し、昨年から、関野農園さんの無肥料自然栽培の農産物を扱わせて販売させて戴き、
お陰様で、徐々にお客様からの二一ズの広がりとリピートに業績を上げた感があります。
まだまだお客様へのアプローチが足りないものの、確かに手応えは感じています。
私の場合、仕入れはやはり目利きを出来るだけ生かして来たっもりです。
市場でも出来る限り情報を収集し栽培内容や品種、生産者、
鮮度や傷み具合など現物の状況を考慮して販売に努めて来ました。
また、直接、産地や生産者とも接見して見極めて来たつもりです。
それでも、満足にお客様に販売できるものは限られてしまいます。
青果業としては、残念ながら当店が扱う無肥料自然栽培の農産物はまだ全体の1割程度しかありません。
これは私の哲学ですが、それはどんなにすばらしい農産物であっても、生産者の心意気とでも言うのか、
農産物から見えて<る仕事の状態も感じ取るように心がけています。
それは、美術品や音楽鑑賞といった趣味にも精通するのです。
とりわけ絵画ではアンドリュー・ワイエスが大好きです。
音楽ではたくさんいますが、グレン・グールド、ジャン・ジョエル・バルビエ等。
出来るだけ「いいモノ」を観て、聴いて、感じるという訓練をするように心がけています。
そこから、仕入れの哲学も生まれます。
勿論、商売ですからお客様の二一ズも無視できません。
それでも失敗はあります。
話は変わりますが、先目、当店と取引のある北海道の自然食品店、
まほろばさんの農産物の仕入れ担当者と話をさせて戴きました。
まほろぱさんも自社で農産物を栽培し販売しています。
その栽培内容はやはり自家採種を基本としています。
但し、土作りは農産物の状態を考盧した有機物などの補正を行っています。
では何故、無肥料ではないか?
まほろばさんのところでは仕入れや農産物の栽培にひとつの“物差し”或いは基準を活用しています。
それは生体生理反応を応用したO-1テストです。
オーリング・テストをアレンジした独自の検査テストです。
つまり生理生体反応に合格した種子はより選別され、
それぞれの農産物に適した土壌補正を行って栽培されます。
今後、厳しい気候変動や環境の中で自然栽培の農産物がどう展開できるか?
種子の選別はどう行うのか等、状況の変化の中で
対応できる知恵や感性が必要となるのではないでしょうか?