馬酔木あせび
3月 17th, 2012 at 11:55まほろばは花卉も扱っている。
お花や鉢物など、・・・・春の苗木時には、玄関前が、
パッと花咲いたように輝く。まるで浄土の園にいるような感じだ。
先日、「あせび」の鉢が入荷した。
そのすずらんが連立したような可憐な感じが、何とも良かった。
「馬酔木」と書く「あせび」と謂えば、さだまさしの『まほろば』が思い起こされる。
馬酔木(あせび)の森の馬酔木(まよいぎ)に
たずねたずねた 帰り道
牛馬がこの花を食べれば、毒性成分で酔ったようになることで、馬酔木の字が当てられたという。
若き男女の恋の迷いと、散策する奈良・春日野の森が響き合っています。
アセビ(馬酔木)を調べると 多くの草食ほ乳類は食べるのを避け、食べ残される。
そのため、草食動物の多い地域では、この木が目立って多くなることがある。
たとえば、奈良公園では、鹿が他の木を食べ、この木を食べないため、アセビが相対的に多くなっている。
食物は、自ら動けないので、自分の身を守るために毒ガスなどを出す。
これを自然(漢方)農薬とも謂うが、虫や動物を避けて生き延びるための培われた智慧だ。
可憐さゆえの、健気な防御本能だ。
この鉢には、「屋久島あせび」とあり、一層いとおしく感じた。
寝ぐらを捜して鳴く鹿の
後を追う黒い鳥鐘の声ひとつ
馬酔の枝に引き結ぶ
行方知れずの懸想文(けそうぶみ)