まほろばblog

「マザー・テレサへの質問」

4月 9th, 2012 at 9:02

      
  五十嵐 薫 (一般社団法人ピュア・ハート協会理事長)

     『致知』2012年5月号
     「マザー・テレサの生き方が教えてくれたこと」より
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かつてある新聞記者がマザー・テレサに
こんな質問をしたそうです。

「あなたがたったいま死にかけている人を
助けて何になるのですか? 

 この人は必ず死ぬのですから、
 そんなことをしても世の中は変わらないのではないのですか」

と。マザー・テレサは毅然としてこう答えられました。

「私たちは社会を変えようとしているのではありません。
 いま、目の前に餓えている人がいたら、
 その人の餓えを満たしてあげる。
 ただそれだけでいいのです。

 確かに、そのこと自体で世の中は変わらないでしょう。
 でも、目の前に渇いている人がいれば、
 その渇きを満たすために私たちはそのいのちに仕えていくのです」

彼女は別の場所ではこうも言っています。

「私たちのやっていることは僅かな一滴を
 大海に投じているようなものです。
 ただ、その一滴なくしてこの大海原はないのです」。

私たちのレインボー・ホーム
(五十嵐氏がインドに設立した孤児たちの家)もそうありたいのです。

人は「インドで僅か十人、二十人の親のない子供たちを
助けてどうなるのですか。

世界にはもっとたくさんの孤児がいるのに」と言うかもしれません。
しかし、目の前で「寂しい」と泣いている子供たちがいるのです。
それは私たちにとってかけがえのないいのちであり、
自分自身なのです。

そのいのちをそっと抱きしめてあげるだけでよいのです。

ボランティアとは、自発的に無償で他に奉仕することを
意味するのですが、その奥には

「人間は他のいのちに仕えるとき、
 自分のいのちが最も輝く」

という、生命の法則を実践で知ることに意味があると思います

3 Responses to “「マザー・テレサへの質問」”

  1. 今田 遥 Says:

    題 : マザー・テレサさんのこと
    .
     マザー・テレサさんが、初めて、インドの社会に入って行っ
    た時は大変でした。
     彼女にあったのは自分の志(こころざし)だけ。
     彼女を受け入れたのは、インドの「ヒンズー教の方たち」で
    した。
     彼女の活動のための家を貸し、彼女の活動のための手助けの
    人達が駆け付けました。
     元々、マザー・テレサさんのやりたい志の事は「ヒンズー教
    の方達はしていました」。
     だから、正確に言えば、「マザー・テレサさんが、志を同じ
    くする人たちの中に入って行った」なのです。
     ヒンズー教の方達は、多神教。
     イエス・キリストやマリアもヒンズー教の神々の一人として
    いる宗教。
     この様な宗教教義の面からも、マザー・テレサさんもスムー
    ズに受け入れられました。
     一神教のキリスト教には「異教徒を殺せ」の教義がある様に、
    異教徒を忌む宗教ですので、この様なスムーズな受け入れとは
    ならなかったでしょう。
     マザー・テレサさんは、最初、キリスト教からは、まったく、
    孤立無援。
     手助けはヒンズー教の方達だけでした。
     彼女が、アメリカの映画の題材にされ、注目されるようにな
    って後、キリスト教が、今までは何も彼女に注目せず、手助け
    もしなかったが、世界の注目を集める様になってから、彼女と
    行動をする様になった。
     今、キリスト教は、彼女を「広告塔」にしていますが、そし
    て、ヒンズー教の方達は黙っていますが、真実は、この様な経過
    をたどった。
     マザー・テレサさんが「ノーベル平和賞」を受賞しましたが、
    同時に「ヒンズー教の方達も受賞すべき」でした。
     ノーベル賞選考委員はキリスト教徒だけ、その点、「お手盛
    り」となった。
     インド政府は、彼女が亡くなられた時、国葬として大きな葬儀
    を行ないましたが、キリスト教組織にも、この様な、大きな度量
    が欲しいところです。
     また、彼女のキリスト教は、ビンズ‐教との共同生活から宗教的
    にも影響され、彼女独特のキリスト教となっている。ヒンズー・
    キリスト教とか、テレサ・キリスト教と呼ぶべき形となっている。
    参考URL: http://blog.goo.ne.jp/hanakosan2009 /
      URL: http://32983602.at.webry.info/

  2. mahoroba Says:

    コメントありがとうございました。とても納得できる内容に感銘いたしました。いわば、この2000年にわたる世界史の不幸は、端的に言えば、一神教の戦争の結果とも言えると思います。そこに寄り添う限り、世界平和はあり得ないでしょう。一切を八百万の神々と見なす日本の汎神的自然観こそ、ヒンズーに通じる世界観なのでしょうね。私自身は、若い頃より、超在一神的汎神論という立場というか、思想を背景に歩んで来たように思います。詳しくは、また何時か、お話し出来る日を。
     今田さんのお話、ブログでご紹介してもよろしいですか。私達の気付きになれば、と思いますが。

  3. 今田 遥 Says:

    御返事、大変遅くなり、申し訳ございません。
    是非、ブログで紹介していただければ、大変、幸せです。

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