『生き方の流儀』
10月 1st, 2011 at 10:02・・・・・・・・・・・「運」についての話。
米長先生は最後にこのテーマに言及され、
「ねたむ、そねむ、にくむ、ひがむ、うらむ。
そういう気持ちを持っている人に運はついてこない。
そういう人は運命の女神から見放される」
と締めくくられました。
渡部昇一先生は「惜福(せきふく) 」の話をされました。
これは自分に舞い込んできた幸福を惜しむということ。
自分に舞い込んできた幸福を使い切らないで
大事に一部とっておく。
そういう心がけの人に運命の女神は微笑む――ということです。
まさに、その通りだと思います。
両先生の話に首肯(しゅこう)しながら、
私はその時、道元の言葉を思い出していました。
「古人云(いわ)く、霧の中を行けば覚えざるに衣しめる、と。
よき人に近づけば覚えざるによき人になるなり」
昔の人は霧の中を歩いていると
知らないうちに衣がしめるといっている。
それと同じように、よき人のそばにいると、
知らないうちに、自分もよき人になっている、
ということです。
道元のこの言葉は
実は運をよくする神髄(しんずい)を
教えているのではないかと思います。
どんなに才能のある人でも
悪い人の中に交わっていては
運をよくすることはできません。
よき人に交わり、よき言葉、よき教えにふれていくことこそ、
運をよくする根元であろうと思うのです。
安岡正篤師の言葉があります。
「人間はできるだけ早くから、
良き師、良き友を持ち、良き書を読み、
ひそかに自ら省み、自ら修めることである。
人生は心がけと努力次第である」