スーパードクター・佐野俊二氏の名言
8月 5th, 2012 at 8:49 『致知』2012年8月号
特集「知命と立命」より
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◆外科医の基本は切る、縫う、結ぶの3つなんですが、
それぞれに原理原則を踏まえて
どんな場面でも確実に行えるようにならなければなりません。
例えば豆腐みたいに柔らかいものでも
崩れないように結べなければならないんですが、
基本ができていない人は結べない。
一流病院は何が凄いかと言ったら、
特別に難しいことばかりやっているのではなく、
彼らは物凄く基本に忠実なんです。
だからつまらないミスを犯さず、
それが手術の成功率にも反映されてくるのです。
◆私は世界的名医ロジャー・ミーのすべてを
自分のものにしようと思い、
手術の度に彼の動きをメモして懸命に練習しました。
彼が何ミリくらい離れたところから
どこにどういうふうに糸を掛けたのか、
全部メモしてそのとおりにやったんです。
後年、私の手術を見た看護師さんたちから、
「あなたはロジャー・ミーにそっくりね」と言われるくらい、
それは徹底的にやりましたね。
◆(手術で常に心掛けていることは)
自分たちができる最善を尽くすという医者の本質から
決して離れてはならないということです。
論理的に成り立たない手術は別ですが、
論理的には成り立つけれどもやるのは難しいというなら、
きっとできるはずだと信じてやります。
◆(伸びる人と伸び悩む人の差はどこにあるか)
いまつくづく思うのは、性格です。
性格の悪い人間は伸びない。
人の言うことを素直に聞く謙虚さのない人間はダメなんです。