「宝くじは買わないと当たらない」
8月 26th, 2012 at 12:26 『致知』2009年5月号
特集「執念」より
──────────────────────────────
私が日頃から一番よく言うのは「人に聞け」ということですね。
体操は自分で点数をつけるんじゃない。
人が見て点数をつける。
人が感動するような演技をするためには、
人に聞けばいいんです。
八百屋のおじさんでも誰でもいいから、いろんな人に聞け。
とりあえず千人の人に聞け。
そうしたらおまえは頂点に立てるよ、と。
そして「教えてもらえる人間になれ」と。
そのためには挨拶もそうですし、
礼儀もわきまえていなければいけません。
もう一つは「宝くじは買わないと当たらない」ということです。
オリンピックも「行こう!」と思わないと行けない。
宝くじを買いもせず、じっと待っていても
当たるわけがないのと同じように、
強くなろうと努力もしていない、
そう思ってもいないのに、強くなれるはずがない。
本当にそう思ったら、ちゃんと行動に移すはずです。
「人の話を聞く」という事柄にしても、
結局大切なのは基本ですよね。
木でも、根っこがなければ幹や枝の部分が伸びた時に
倒れてしまいます。基本というのは根っこのことなんです。
高度な技術ばかりいくら磨いて試合に勝ったとしても、
必ずスランプに陥る時がくる。
その時に、選手はもう一度基本に戻らないといけないんです。
でも基本ができていなければ、戻れるところがない。
だから私は、ちゃんと根っこを張ってから上を伸ばしていけと、
選手や指導者らに言うんです。
最初が肝心、最初に目いっぱい時間をかけるべきですね。
基本を確実に百%やる。
そこから進めなければ、一流選手にはなれません。