「百度と九十九度の違いを意識する」
11月 5th, 2012 at 10:03高野 登 (人とホスピタリティ研究所主宰)
『致知』2012年11月号
特集「一念、道を拓く」より
http://www.chichi.co.jp/monthly/201211_index.html
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最初に齋藤泉さんの存在を知ったのは
僕がまだリッツ・カールトンにいた頃でした。
山形新幹線で驚異的な売り上げを誇る乗務員がいると。
しかも二か月更新のパート契約の立場だという記事を週刊誌で見て、
「こういう仕事の仕方をされている人がいるんだ」と。
リッツ・カールトンで我われが考えている立ち位置と
似ているなと思って興味があったんです。
リッツ・カールトンでは九十九度と百度の違いを
意識しているんですね。
九十九度は熱いお湯だけれども、
あと一度上がって百度になると蒸気になって、
蒸気機関車を動かす力が出る。
しかし、九十九度ではまだ液体だから蒸気機関車は動かせない。
この一度の違いを意識しながら仕事をすることが、
リッツ・カールトンの仕事の流儀でした。
だから最初に齋藤さんの記事を読んだ時、
この人は百度だと思った。
百度の仕事とは、誰もがしている仕事を、
誰も考えないレベルで考え、
懸命に汗を流さないと見えてこない世界です。