「人間の脳が持つ3つの本能」
11月 24th, 2012 at 10:38 『致知』2012年12月号
特集「総リード」より
└─────────────────────────────────┘
太古から今日まで、生命は一貫して二つの原理によって
存在している、という。
一つは代謝であり、
もう一つはコミュニケーションである。
代謝によってエネルギーをつくる。
コミュニケーションによって新しい生命を生み出す。
この二つの原理によらなければ、あらゆる生命は存在し得ない。
この生命を生命たらしめている二つの原理は、
人間の幸福の原理と対をなすように思われる。
即ち、あらゆる面で代謝(出と入)をよくすること。
そして物を含めた他者とのコミュニケーションをよくすること。
そこに人間の幸福感は生まれるのだ。
聖賢の教えは、極論すれば、この二つを円滑にするための
心得を説いたもの、とも言える。
脳の専門医、林成之氏は、どんな人の脳も
三つの本能を持っている、という。
一は「生きたい」、
二は「知りたい」、
三は「仲間になりたい」
という本能である。
この脳の本能から導き出せる
「脳が求める生き方」は一つである。
「世の中に貢献しつつ安定して生きたい」
ということである。
脳の本能を満たして具現するこの生き方は、
そのまま人が幸福に生きる道と重なり合う。
そこに大いなる宇宙意志をみる思いがする。
遠くから来た私たちは、宇宙意志のもとに、
幸福を求めて遠くまで歩み続けているのかもしれない。