まほろばblog

「伸びる人は明日を期待させる」

1月 15th, 2013 at 9:24

     朝倉 千恵子 (新規開拓社長)

                『致知』2013年2月号
                 特集「修身」より

└─────────────────────────────────┘

伸びる人材という意味では、
我が社の社員の事例を紹介すると、
話す態度から口調から、
もうすべて腹が立つような言い方をする社員がいたんです。

食事のマナーも注意指摘をすると
「食事の時くらい好きなように食べたっていいじゃないですか」
みたいに反抗的な態度を取る。

この五年間、私も副社長もメチャクチャ叱って、
一番泣いた部下です。

【染谷:よく辞めませんでしたね】

どんなに叱られても「私は絶対に辞めません!」と言っていました。
以前の会社でもトップセールスで、我が社に入る時、
「この年俸を保証してください」と額を提示してきたので、
「無理です、この年俸になります」と言うと
「分かりました」と。

希望額よりグンと下がったのですが、
それでも自分は絶対にここでやると決めて、
いまは我が社のトップセールスです。

後付けで身につけた礼儀や礼節が
全部彼女の財産になっていると思います。

【染谷:でも、それはうるさい上司がいたからですね。
    そういうのを「個人の自由だ」と許してしまう
    経営者が多いんですよ。
    不愉快だけど、仕事さえやってくれていればいいって】

もう、どれだけうるさく言ったか分かりません。
でも、本当に五年間で成長しました。

よく、伸びる人材は「素直だ」と言われますが、
その定義が勘違いされていると思うんです。

上の人の言うことを「はい、はい」と聞くことじゃない。
ガツンと叱られて、その瞬間はムカっとした顔をしていても、
必ず改善して確実に成長していく人。

それが本当の「素直な人」だと思うんです。
なんでもかんでも「はい、はい」と
従うだけの人は面白くもなんともない。
大体、そういう人は売れません。

      * *

我が社の場合は、履歴書を一切見ないんです。
私はうちの部下がどこの学校を出ているかとか、
まったく興味がないですから。

面接で聞くのは「やる気ある?」「根性ある?」ということだけ。
やっぱりガッツとか生命力というのは教えられないですね。

そういうベースがあって、礼儀礼節が身についている人は
組織の中で認められ、用いられていく人材になると思います。

だからこそ、叱られて大泣きして
鼻水流しながらでも、改善して、
食らいついてくるような人を
経営者は求めていると思います。

そういう人は未来が楽しみですから。
三年後、五年後、この子はどうなっているかなと
未来を期待させる社員は伸びると思います。

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