まほろばblog

富田少年の70年後に咲いた花

2月 5th, 2013 at 16:24
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先日のNHKBSで放映された、「冨田勲×初音ミク『イーハトーヴ交響曲』」をご覧になった方も多かろうと思う。

私は、富田さんが宮沢賢治をどうのように楽曲化するのであろうか、という興味で偶々観た。

そこに、初音ミクというどこかで聞いたことのあるようなバーチャル歌手が唄うという設定であった。

そういえば、あの磯さんがミクのことを話していたっけ、と思い出したのだ。

札幌出身のミクを誕生させたのは、磯さんの仲間達だったのだ。

この初音ミクがアメリカでも大ブレークしていることなど露知らず、全く興味がなかったのだ。

しかし、TVから放映された多くのテクノ集団の極めて手作業のこんだ集大成とも言える楽曲と動画は、

中東風のメロディに、「あたしは初音ミク かりそめのボディ 妖しく見えるのは かりそめのボディ ・・・」と唄う。

(オケのコンダクターに合わせてシンセと3Dが動くという世界初の試みに成功!したのだ)

正体不明の風の又三郎や早逝した妹トシを重ね合わせたような浮遊感の漂うミクに、不思議な実在感を感じた。

あのドビッシーをシンセで塗り替えた衝撃的なデビュー盤から何十年経っているだろうか。

だが、彼の根底には、あのテーマ曲「新日本紀行」や、「きょうの料理」の国民が共感する日本が鳴り響いているのだ。

CGやIT映像には、極めて拒絶反応する私だが、御歳80もの富田先生が惹かれて製作共演したミクに、なんだかホロリとしてしまった。

何か、哀歓があったんだなー、としばし、「あたしは初音ミク かりそめのボディ ・・・」のメロディーが耳に残った。

そして、今あえて果敢にこれに取り組ませたのは、やはり3・11への哀歌であろう。

富田少年の心深くに語りかけた東北少年・賢治の一篇一篇が結実したようだった。

そういえば、私も賢治少年だったなー、と半世紀前を懐かしむ自分がいた。

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http://billboard-cc.com/classics/2012/11/post-15.html

構想10余年「世界のTOMITA」、進化の結晶! -初音ミク、「イーハトーヴ」交響曲に舞う-
音楽の無限の可能性を探求し、ビルボード・クラシカルチャート連続第1位(「月の光」「展覧会の絵」「惑星」)を獲得、世界の音楽史の先端を築いた冨田勲。生誕80周年を迎えた2012年、巨匠、富田勲の進化の結晶となる「イーハトーヴ」交響曲が時空を超えた宮沢賢治の世界を創出します。人間や自然を超越した宇宙的な力を音楽化する壮大な交響曲は、東北の大地と人々がいかに強く結ばれているかを全世界に示し、生命の賛歌を高らかに響かせます。そして、総勢約300人におよぶ管弦楽、歌手、合唱団を率いる大友直人指揮による劇的な展開とともに、現代アートの最先端を走る初音ミクがこの壮大なシンフォニー空間に躍動。3Dイメージの初音ミクが華麗なパフォーマンスを次々と披露します。「注文の多い料理店」の物語の中に妖艶に変幻したミクが登場、可憐な歌声とダンスで魅惑のメロディーを歌い上げます。さらに「風の又三郎」「銀河鉄道の夜」等、賢治の時空を超えた世界に登場。冨田勲が導く、シンフォニーサウンドのなかで、初音ミク歌い、舞う世界が誕生します。まさに「世界のTOMITA」の集大成が、伝統と先端芸術の融合のなかに誕生する舞台。大地の生命力が鼓動するこの大曲が誕生するとき、全ての聴衆は、偉大な音楽の歴史の証人になるに違いありません。
音楽の歴史的な瞬間に出会う 日-「世界初!初音ミクが人の指揮に合わせ、 変幻自在に歌とダンスを披露」~はやぶさ帰還に匹敵する高度技術に挑戦、ミクが人と一体化~
「イーハトーヴ」交響曲の世界初演が迫る中、話題騒然の初音ミク。人の複雑な指揮の緩急に合わせて変幻自在にミクが歌い、ダンスするという歴史的なパフォーマンスが誕生する。従来の常識は、あらかじめプログラミングされたミクの歌に合わせて人が演奏。今回は、ミクが大友直人指揮に合わせながら管弦楽と大合唱団とともに歌う舞台が実現。「注文の多い料理店」のミクをはじめ、「風の又三郎」「銀河鉄道の夜」等、賢治が描く現生と異次元空間が交錯した世界のなかに、よりリアルでハートフルなミクが誕生します。まさに天使ミクが人と一体化した瞬間に出会える日。現在、音楽の新しい歴史を刻むこの一大事業の実現にむけて技術陣が、小惑星探査機はやぶさ帰還に匹敵する高度技術を開発中。進化したミクが天界から舞い降りるとき、 ”世界のTOMITA”が再び新しい音楽の歴史を導きます。

◎8月27日に行われました制作発表記者会見の模様はこちらから⇒ http://billboard-cc.com/classics/2012/08/

◎冨田勲×初音ミク「イーハトーヴ」関連サイト「ASCII.jap×デジタル」連載リポートはこちら⇒
冨田勲コラボ、初音ミクは「指揮に合わせて歌う」新技術で登場http://ascii.jp/elem/000/000/721/721081/tp:/
「歴史に残るコラボを作る」初音ミク×冨田勲と技術屋の情熱http://ascii.jp/elem/000/000/721/721081/index-3.html

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