王羲之の真蹟、発見!!
2月 16th, 2013 at 9:38王羲之といえば『書聖』、究極の書家であり、理想の文人である。
4世紀東晋時代、1700年も前で、日本は弥生時代、この頃の字跡はない。
王羲之の真筆は無く、多くは今で言うコピーであり、
それは双鉤填墨という精密な模写本で、
外見上は真筆とまったく区別できないほどだ。
拡大鏡によって初めてそれが複製であると分かるほどの細密さで、古人の技の凄みを知る。
小野道風筆と伝えられていたものが、実は王羲之の模写本、「大報帖」であることが判り、
新たな発見とされて、東京国立博物館に今、展示されている。
千何百年もの時を経て、書聖の風韻に触れる感激も一入であろう。
観たいものである。
若き頃、日課として下の『蘭亭之序』を臨書して止まなかった。
その風格と知性、その技量に圧倒され沈潜していった。
空海の最澄へ宛てた書簡「風信帖」は、悉く王羲之の影響を受けていた。
いわば、ほぼ20世紀を隔てても、彼ほどの大家が出現しなかったということ、
紀元前後に輩出した聖人群と人物像のスケールと深さ。
再びと、その黄金時代は人類史にやって来ないのだろうか。
そんな意味でも、生身の眼で、その筆跡を観て、
遠く太古に思いを馳せるのも、悪くはないのではなかろうか。