つばらつばら・・・・・・
2月 27th, 2013 at 11:00業者の方から戴いた銘菓が、
何とも床しいので、そのしおり書きを添えますね。
京都の鶴屋さんのその名も「つばらつばら」。
しみじみと・・・・・・という意味合いだそうですが、いいですね。
大伴旅人の歌ということ、そのふるさとを思う
「ふりにしさと」という語感、
「思(も)へば」と「思ほゆるかも」の畳みかけ、
そして「つばらつばら」の聞きなれなくも、聞いたことのあるような、
そんな懐かしさがいっそう、この歌を遠くにはこびます・・・。
浅茅原(あさぢはら)つぶらつぶらにもの思(も)へば
故(ふ)りにし郷(さと)し思ほゆるかも
大伴旅人 (万葉集 巻三)
万葉歌人大伴旅人が、大宰府長官として九州に
赴任したとき、「つぶらつぶら」すなわち、しみじみと
物思いをしていると、故郷の都のことがあれこれと
心に浮かんでくると詠んだ歌です。
「つぶらつぶら」は、しみじみと、心ゆくままに、
あれこれと、という意味の万葉の言葉。
銘菓「つぶらつぶら」は、その心を汲みまして材料を
吟味し、丹精をこめて謹製いたしました。
鶴屋吉信