まほろばblog

「胎内記憶に心耳を澄ます」

3月 21st, 2013 at 10:21
    池川 明(池川クリニック院長)

        『致知』2013年4月号
              連載「生命のメッセージ」より

└─────────────────────────────────┘

(胎内記憶の)情報発信を始めて
十五年くらいになりますが、
この頃ではお産をするお母さんの七割くらいは、
赤ちゃんにおなかの中にいた頃の記憶があることを
理解される時代になりました。

私が初めて胎内記憶のことを知って、
自分の病院で話してみたら、

「うちの甥も、おなかの中にいた時は
  温かくて気持ちよかったと言っていますよ」

「小学生の孫が作文に、おなかにいた時に
  包丁(鉗子)が入ってきて、
  足を掴まれて引きずり出された(帝王切開)と書いています」

なんて言うスタッフがいたのでびっくりしましてね。
翌日から妊婦健診に来られる子連れのお母さんに、

「お子さんがおなかの中にいた時の記憶を
  話すことはありませんか」

と端から聞いてみたんです。

結構多くの方が、
「うちの子しゃべります」っておっしゃったんです。

変な子ってネガティブに捉える方が多かったのと、
親が聞かない限り子供も自分からしゃべらないので
あまり話題にならなかったんですね。

そこで真偽を確かめる際に、
朝日厚生事業団のご縁もあり、
諏訪市と塩尻市のすべての公立保育園で
アンケート調査を実施できました。

すると千六百二十件のご回答のうち、
どちらの市でもおなかの中の記憶を持つ子が三十%、
誕生した時の記憶を持つ子が
二十%もいることが分かったんです
千を超える回答に基づく数字ですし、
異なる地域で同じような結果が出ましたから、
信憑性が高いと思うんです。

その後も興味を持ったいくつかのIT企業が
独自調査を実施しましたが、
やはり同じような結果を得ています。

【村上:子供たちはどんな記憶を語っているんですか】

「暗くて、プカプカしてて、気持ちよかった」
「温かくて柔らかだった」といった胎内の様子や、
「丸くなって入ってたの」
「毎日ずっとねんねしてた」
「ダンスして、キックして、クルンってまわったりした」

と自分のことを話したりします。

また

「パパがオヘソをツンツンしてきたんだよ」
「お父さんとお母さんがケンカをしてた」


といった外の様子や、

「暗いトンネルをくぐってきたんだよ」


と出産時の記憶を語る子もいます。
これは子供の描いた絵(本誌参照)ですが、
子宮の中は温かくて居心地のいい空間だったと
言う子が多いですね。

お母さんの気持ちもすべて伝わるようで、
妊娠中に夫婦の諍いなどでネガティブな精神状態でいると、
冷たかった、寂しかったと言う子もあります。

母親の食べたものに対する好き嫌いについても語りますし、
たばこやお酒はダメなようです。

もちろん科学的に証明することは極めて難しいですから、
そんなことはあり得ない、といった
否定的な意見もたくさんあります。

アメリカではチェンバレン博士の
グループが肯定派ですが、
まだ三百人くらいの団体にすぎません。

向こうの産科の先生とお話ししたことがあるんですが、
医学的に証明されていないということで
全く信じていませんね。

だけど、否定する意見のほうにも
科学的な根拠があるわけではないんです。

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