まほろばblog

「顔の化粧ではなく、心の化粧を」

4月 11th, 2013 at 8:33
   渡辺 和子(ノートルダム清心学園理事長)

                『致知』2002年3月号
                 特集「この道を行く」より

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人間の進むべき道というようなことは、
難しくてよくわかりませんけれども、
とにかくまずは自信を取り戻すことですね。

しかもそれは正しい意味での、
人間しか持たないぬくもり、優しさ、強さであり、
自分と闘うことができ、自分の欲望に
ブレーキをかけることができるということへの信頼です。

例えば、私はいま学生たちに、
「面倒だからしましょうね」
っていうことを言ってるんです。

面倒だからする。

そういう心を学生たちはちゃんと持っています。
それは強さだと思うんです。

そういう、人間にだけ神様がくださった、
神の似姿としてつくられた、人間にのみ授けられた
人間の優しさと強さ。かけがえのない、
常に神様に愛されている自分としての自信。

そういうものを取り戻して生きていかないと、
科学技術の発達するままのこれからの時代に、
人間の本当の姿が失われてしまうのではないかと思います。

いまの学生たちは、ポーチの中にお化粧道具を
いっぱい持っています。

だから彼女たちには、お金をかけてエステに通ったり、
整形手術を受ければ綺麗にはなるけれど、
美しくなるためには、面倒なことをしないとだめなのよ、
と言っているのです。

自分が座った椅子は元どおりに入れて立ちましょうね。
落ちている紙屑は拾いましょう。
洗面台で自分が落とした髪の毛は取って出ましょう。
お礼状はすぐに書きましょう……というように、
なるべく具体的な行動の形で示してやります。

「ああ、面倒くさい、よそう」と思わないで、
「ああ、面倒くさいと思ったらしましょうね」と言うと
学生も、何か変な標語のようだなと思いながらも、
覚えていってくれるみたいです。

「人はある程度の年を取ったら、
 それ以上綺麗にはならないけれど、
 より美しくなることはできます。

 その美しさというのは、中から輝いて出るものだから、
 自分と闘わないと得られません。
 お金では買えないのよ」


ということを言うと、

「ああ、シスター、顔の化粧ではなくて、
 心の化粧なんですね

と言ってくれます。

2 Responses to “「顔の化粧ではなく、心の化粧を」”

  1. 竹内陽子 Says:

    懐かしい母校の名前を見たとき、日々の学園生活とシスターたち、厳しかった校則、バス、汽車を乗り継いで
    通った学園での思い出が溢れてきました。
    まだ、外人のシスターも多くて、シスターの名前もお顔も憶えています。現在の学園の雰囲気は当時とは
    違うようですが、(学生時代) の歌のように同じ気分に浸ってます。

  2. mahoroba Says:

    お姉さんの出身校でしたか。びっくりですね。名門校で、素晴らしい先生やシスターがいらしたんですね。きっと、懐かしいかったのにちがいありません。青春時代に戻りたいですね!

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