まほろばblog

『吉田松陰 四字熟語遺訓』

5月 10th, 2013 at 9:42
    川口 雅昭(著)

◆ 吉田松陰「四文字の教え」を紐解く
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1859年、安政の大獄で享年30(満29歳)という
短い生涯を閉じた吉田松陰。

その松陰研究に40年以上情熱を傾けてきた
著者が着目したのは、松陰が書き残した「四字熟語」でした。

本書には松陰が残した膨大な著作や資料の中から
厳選された100の四字熟語に加えて、
その訳と時代背景を踏まえた丁寧な解説を付記。

「鬱然藹然(うつぜんあいぜん)」
「枕戈横槊(ちんかおうさく)」
「疾風勁草(しっぷうけいそう)」

などからは、諌死・諫言できる武士を理想として
学問に励み続けた自己に厳しい松陰の姿が浮かんできます。

その一方で、

「誠朴忠実(せいぼくちゅうじつ)」
「真心実意(しんしんじつい)」
「敦篤朴実(とんとくぼくじつ)」

からは青年らしい純情さや、
友人への温かい思いやりの心が伝わってきます。

他にも

「切偲勤学(せっしきんがく)」
「気節識見(きせつしっけん)」
「休戚隆替(きゅうせきりゅうたい)」

など普段目にすることのないような
四字熟語も多く収録されており、
純粋に知的好奇心がくすぐられるのではないでしょうか。

松陰が綴る四字熟語に心揺さぶられたという著者は、
その凝縮された「四文字の教え」が
混迷にある日本の再生に繋がればとの願いを込めています。

「刻苦勉励」せよとの心を鼓舞する松陰の叱咤を背に、
その気高い精神を学び取りたいものです。

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