「驚異の101歳、現役サラリーマンの日常」
7月 4th, 2013 at 10:09福井 福太郎(東京宝商会顧問) 『致知』2013年8月号 特集「その生を楽しみ、その寿を保つ」より └─────────────────────────────────┘ 【記者:お勤め先はどちらですか?】 福井 会社は神田にあって、 最寄り駅の辻堂(神奈川県)から片道一時間、 電車を乗り継いで向かいます。 朝八時三十六分発の快速湘南ライナーに乗って、 東京駅の階段を四十一段下り、 人混みを縫って今度は階段を上がり、山手線に乗り込む。 車内はぎゅうぎゅう詰めですが、 仮に優先席が空いていても、一駅分ですから席には座りません。 【記者:毎日往復二時間の通勤というのは大変でしょう】 皆さんからも健康法をよく聞かれるんですが、 毎日そうやって歩いているから元気でいられるんでしょうね。 僕の携帯電話には歩数計がついていて、 一日に七千歩から八千歩は歩く。 いまはもうだいぶ足腰も弱りましたが、 それでも普通には歩けますから、贅沢は言えません。 【記者:背筋もピンとしておられます】 あ、これは謡(うたい)を歌っているせいです。 謡は前屈みの格好じゃ力が入らなくて歌えませんから。 喉から出る声はダメなんですよ。 お腹から声を出すにはグッと胸を張る必要がある。 四十二歳の時から始めたんですが、 かれこれ六十年近くも続けていることになりますね。 【記者:いまでもいいお声が出ますか?】 えぇ、まぁ(笑)。 声は軍隊へ行った時に号令を掛けたりしていましたから。 軍隊じゃ大きな声を出さないと、こっぴどく叱られる。 だから若い時に身につけたことが、 年をとっても影響してくるんじゃないでしょうか。 周りの方を見ていても、年をとってから 新しく何か習慣をつくるというのは難しいですね。 たいていは若い時から ずっと続けてやっているものが残っている。 【記者:食事はどうされていますか】 朝四時半には起床し、食パンを焼いてハムとレタス、 トマトを載せてよく噛んで食べます。 妻には四年前に先立たれてしまいましたが、 夕食は同じ敷地内に住む長男夫婦の家で、 嫁が作ってくれた食事を一緒に食べています。 若い頃と変わらないくらいよく食べていますよ。 【記者:好き嫌いもなく?】 えぇ、肉でもなんでも食べます。 それと野菜はうんと食べなきゃいけないですね。 何しろね、偏るとダメです。 これは食べ物だけじゃありません。 考え方も狭い見識でなく、広く物事を見ていかないと。 まぁ、いま言ってきたことの一つひとつが 長生きをした基礎になっているのでしょうね。
Posted by mahoroba,
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